先日わざわざ池袋で映画を見ました。東京の西のほうに引っ越してきて以来2年半ぶりの池袋。時間もたっぷりあったので、僕がデビュー前から5年近く住んでたマンションに歩いていきました。
池袋駅北口を出ると見慣れたゴミ処理場の背の高い煙突。風俗店の多さは変わらず。いつも利用してた薬屋で目薬を購入。その薬屋に対抗するようにできた新しい薬屋はもうなくなっていました。商店街に入ると見慣れた風景。よく公共料金を払ったポプラとセブンイレブン、加えて新しくローソンがたってコンビニ激戦区になっている。
細い路地を入るといつも3匹猫がゴロゴロしてた場所には猫よけのペットボトルが十数本置かれ猫の姿はなし。隣の駐車場には黒白の猫が一匹いた。5年住んでたマンションは壁が塗り替えられてきれいに見えましたが、住んでたときと同じ景色でした。
なんか変なセンチメンタリズムが高揚してきて、「ああ、僕がかつて暮らしてた街は2年でこんなに変わってしまった」みたいなことを期待してたんですけど2年じゃ街はそんなに激変しないってことかもしれませんね。あ、でも確実に自分が“よそ者”だという気持ちにはなりました。歩く速度が遅くなったのかもしれん。
よく行ってた中華料理屋さんで昼ご飯を食べようかと思ったら大盛況で入れなくて(入れなかったことなんてなかったのにな)、同じくよく行ってたラーメン屋で野菜炒め定食。ここに住んでる時期に実にたくさんの曲を書いたなーと思いながら。
あいかわらず池袋は楽器屋とレコード屋が充実していて、探してたギターのパーツとDのキーのブルースハープを買ってタワーからレコファンを巡り歩き疲れたら時間になり映画館のイスに深く沈み込んで満足感と達成感を同時に感じました。
結局、あの頃に戻りたいとは一瞬たりとも思わず、今住んでる街がいかに快適かと改めて思う一日だったのです。