

早起きして表参道へ。お昼から当日券に並んで
劇的3時間SHOWのリリー・フランキー氏のトークショーを見てきました。
様々なコンテンツを世に提供するクリエイター10人が3時間の持ち時間を自由に使ってコンテンツ観を語る、という趣旨のイベント。今年で2回目とのこと。3時間の持ち時間、といいつつリリーさんは開演を過ぎてもあらわれず遅刻中というアナウンス。想定内で誰も怒らず緊張が解けて和やかな雰囲気にすらなって最初の30分の遅刻も演出かと思えてくる。
革ジャンと革パンツであらわれたリリーさん。聞き手役にゾノネムさんを従えて、会場の悩み相談や質問状に答えたり答えなかったりお客さんをステージにあげて直々におしゃべりしたりしつつ、9割方は下ネタ/エロ話で進行。
「最近の時事問題についてどうお考えですか」という僕の質問も読まれた。本当は蒟蒻ゼリーのことに触れてほしかったが麻生政権についての返答。リリーさんの地元が麻生一族の勢力が強い地域だったらしい(僕の出身高校も今では経営者が麻生グループだ)。
どれだけ下ネタが暴走しようとイグノーブルで惨憺たるアウトサイダーな話題になっても、意外と世代の幅も広く男女比のバランスもとれた客席からは終止笑いが絶えず、嗚呼なんとあたたかい空間だ、と思いながらこの時間が終わらなければいいなあと思っていた。
歳をとって落ち着いたように見えるのは体力が落ちて元気がなくなっただけで心のなかではいつまでも浮わついたことを考えているのだ、とか、自分が作った作品に対して自信満々なクリエイターなんていない(自分の作品に疑いなき自信を持ったら終わりだ)とか、スローライフは逃避だとかなんだとか、胸のすくような言葉がたくさんありすぎてほんの一部しか思い出せない。
イベント終盤で「今週の月曜日に子宮がんと診断されて動揺しています」という女性をステージに呼び面と向かいながら話を聴くリリーさんの優しい目よ。「病気の人は周りの人の言うことをちゃんと聞いてくださいね。家族も同じ痛みと苦しみを思っているしそれを感じたいって思ってるんですから」という言葉が説得力を持っていた。「子宮ってどのへんですか?」と尋ねて女性のおなかにに“おまじない”と言いながらおでんくんシールを貼るリリーさんはとても素敵な人に見えました。
主催者からの「もうそろそろ」という横やりを幾度もやりすごしながら結局4時間近いリリー・フランキーの世界でした。楽しかった。素晴らしいイベントだと思いました。15日まで続くので興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。