2008年12月31日

2008年を見送って

hit今年も一年応援ありがとうございました。皆さんの拍手と声援でで頑張れた一年でした。

【2008年よかった音楽】
Stephen Malkmus『Real Emotional Trash
Conor Oberst『Conor Oberst
Jakob Dylan『Seeing Things
R.E.M.『Accelerate
Sigur Ros『Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust

Death Cab for Cutie『Narrow Stairs
Kathleen Edwards『Asking for Flowers
Fleet Foxes『Fleet Foxes
Jenny Lewis『Acid Tongue
Metallica『Death Magnetic

今年も好きなアーティストの予想以上の快作が多かったです。Stephen MalkmusはPAVEMENTのフロントマンのソロ新作、Conor Oberstはブライト・アイズの、Jakob DylanはWallflowersのフロントマンの密度の濃いソロ名義アルバム。20年聴き続けてきたR.E.M.は最新作でも僕の心をわくわくさせてくれました。


【2008年よかった映画】
ぐるりのこと。
イントゥ・ザ・ワイルド



様々な分野でインターネット経由で知った新しいアーティスト/作品がたくさん。もはや情報源は店頭とネットで同等だ。新しい読書は少なかったような気がしますが印象に残った本はここにまとまっています。


ひたすら音と声を重ねていく日々でした。多分2009年も。新しい音を持って旅に出たいです。  

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2008年12月30日

冬のティピーと焚き火

teepee0812_12008年のティピーおさめ。今年はソロアルバム制作のバタバタとかライブとスケジュールがかぶってしまったりで、なかなか顔を出せなかったのですが、ちょうど1年前くらいに縫い上がった手作りのティピーは汚れやほつれが良い感じの味付けになって貫禄すらただよう住居になっていました。

少し遅れて行くともうすでにティピーは青空を背景に立ち上がっていて、久しぶりの僕をスタッフの皆さんが手を振って迎えてくれた。おいしい鶏鍋とか純米酒、よもぎ茶、焼き芋に焼きリンゴと豪華な饗宴、忘年会のようでした。隣町から越境してきている僕に優しくしてくれて嬉しい。

内部に焚き火を抱えたティピーからたなびく煙を初めて見た。すごくティピーっぽい風景だ。子供たちが楽しそうに出たり入ったり焚き火の薪を興味深そうにいじくったりしていて、自分が小さい頃にゴミを庭で燃やしたり落ち葉焚きをするときにドキドキした感覚を思い出した。

東京では届け出なしに焚き火やゴミを燃やすことは禁止されているらしいから(それでも最近よく真夜中に散歩してると焚き火みたいな匂いがするのはなぜだろう)奔放な火にふれる良い機会だっただろうな。


たっぷり薫製のようにティピーのなかで燻されて服から煙の匂いが消えない一日でした。



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2008年12月27日

“Life goes on”

heatwave来年で結成30年というからHEATWAVEというバンドは、僕が初めて佐賀で仲間とバンド遊びを始めた高校生の頃から真摯なロックンロールを鳴らしていたはずで、確かに音楽が好きになってレコードにお金を費やすようになって以来その名前を見慣れていたのに、知っているのは「満月の夕」くらいで面と向かって音楽に接したことはなかったのです。

めんたいロック全盛からは世代的に遠く、本格的なバンド活動を上京した東京で始めたからか僕は地域性とか同胞意識、故郷へのノスタルジーみたいなものに背を向けてふらふらと根無し草のように漂ってきた。井上富雄さんにプロデュースしていただいたときも“ルースターズのベーシスト”としてではなく“「犬は吠えるがキャラバンは進む」のベーシスト”としての富雄さんに接したような気もする。

今年最後の「夜の科学」が終わってぼんやりしてるうちに、なんの因果か、HEATWAVE(山口洋さん)の紡ぐ言葉がやたらと心に響いてどうしようもなく、最新スタジオアルバムとベスト盤を聴いてチケットを取って渋谷DUOでのワンマンを観にいった。果たしてそこにあったのは音楽を通じた希望とか祈りみたいなもので、何度も涙がわいてきて今年で一番僕の気持ちをわしづかみにするような歌でした。博多弁のMCも温かかった。ダブルアンコールの前に山口さんがジョー・ストラマーから言われた言葉を教えてくれた。とても素敵な言葉だった。

「トーキョー シティー ヒエラルキー」という歌があって、そのなかの「この街はムンクの手の中にある/誰かが叫び/何処かで渦巻き/とてもいとおしく/何故か美しい」というフレーズが好きだ。終演後渋谷の雑踏を帰るときにiPodからその歌が流れてきて、僕は谷の向こうのインフォスタワーを見上げながらうまく言い表せない気持ちを思いました。

混み合う駅からの帰り道、親からかかってきた電話にも昨晩は臆することなく田舎の言葉で話すことができた。このスピード感あふれる熱情のようなものはきっといろんな必然の結果なんだろう。心の洗濯みたいな夜でした。
  
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2008年12月26日

ロッカバイ、マイ・ジーザス・クライスト

churchなんの信仰もない僕は当然クリスチャンでもないわけですが、今年は思い立ってクリスマス・ミサに行ってみた。調べてみると近所に歴史のある大きな教会があり、クリスマスというタイミングもあってそこはとてもオープンでウェルカムな感じだったのです。

僕が好きなアメリカの音楽や映画のなかでもたびたび表される“Christianity(キリスト教信仰)”には前々から興味があって、今年は特に映画「イントゥ・ザ・ワイルド」を観たときに感じた精神的ギャップを埋めるものが“それ”なのではないかと考えていたので、初めて足を踏み入れた教会には何とも言えない空気が漂っていました。

賛美歌、オルガンの音、参列者の声。35年も生きてきて知らなかった、おそらくずっと変わらず連綿と続いてきたであろうしきたりに厳かな気持ちになったのです。司祭のお説教、「ギブ&テイクではなく、ギブ&ギブなのです」という言葉が印象的でした。


テレビが「不景気だ不景気だ」と繰り返しているうちになんとなくニュースを見るのがつらくなってきて、この“不景気”が自分自身とどれほど直接的に関係あるものなのかを考えている。僕は大学を卒業してついた映像の仕事は自分の意志で辞めているし(メジャーデビューするから退社させてくれ、という僕に社長は2年間の休職でもいいじゃないかと留めてくれようとした。2年間のメジャー契約だったからだ)、アルバイトだって自分勝手な理由で辞めてきたから解雇という言葉とは無縁のような気がしていた。

けれども全然そうじゃなくて、はて、この10年の間に僕はいくつのレコード会社に採用されて解雇されてきただろうかと考えると上昇と下落の連続だったような気がします。パーフェクトに景気の良い季節はなかったしピークがどこかもわからない。残ったのは人との繋がりと自分の音楽に対する10年分の自信と確信です。

この繰り返し鳴らされる“不景気”という警鐘は、これまでのほほんと「なんとかなる」と思っていた気分を「なんとかする」という気分にシフトするための、いくつものタイミングのなかのひとつなのだな、と強い風が吹くのに心は静けき真夜中にぼんやり思ったのです。2008年という1年を振り返ってもきっとそういうタイミングなのだろうな。  
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2008年12月24日

Hallelujah!

20082009  
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ナイトパトロール

nightpat2nightpat1元光GENJIの大沢樹生著「昨夜未明、大沢樹生が死にました…」がとても面白くて昼間に読み始めて日暮れるまでのあっという間に読み終わってしまった。数年前に読んだ諸星和己の「くそ長ーいプロフィール」も破天荒なストーリーが楽しかったが、大沢樹生自伝はそれとはまた別のリリシズムが。

各章に「Take It as it comes(チャンスはつかめ)」とか「Break on through」とか「People are strange(まぼろしの世界)」などとドアーズの曲名を冠していて、ちゃんとその章の内容とリンクしていた。光GENJI在籍中にオリバーストーン監督の映画「ドアーズ」でジムモリソンおよび精神世界にはまったらしい。

驚くほど人の悪口が書かれていない、気持ちいい本だった。僕らの世代は紛うことなき“光GENJI世代”で、いつも思い出すのは僕がカークンのことをからかうようなバカにするようなことを言っていたらカークンファンの女子から「カークンなんて命削って頑張ってるのに山田くんにそんなこと言えるのか?」と詰め寄られたときのことだ。ガラスの10代、場所は音楽室だった気がします。


真夜中から下北沢へ。advantage Lucyとラウンドテーブルのライブ、打ち上げに顔を出す。夏以降ずっと作業に没頭していたからみんなに会うのは久しぶり。初めてドラマーの宮田繁男さんに挨拶。大学時代によく聴いたオリジナル・ラブのグルーヴマスターだ。みんな良い顔をしていました。

どんどん冬が寒くなっていく。指先のない手袋の上にもうひとつ手袋をして夜を歩いている。  
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夜の科学のシーン

今年一年恵比寿天窓switchにはとてもお世話になりました。回を増すごとにスクリーンのサイズや精度があがっていって、映像を撮り下ろすモチベーションもあがりました。終演後も照明やスクリーンの余韻を生かしていただいたりの心づくし、あの空間を一緒に醸し出してくれたすべてのswitchスタッフに感謝します。

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2008年12月23日

東京にもあったんだ

疲れ果てつつ「夜の科学」の翌日は渋谷にてみうらじゅん氏とリリーフランキー氏によるトークイベント。リリーさんの遅刻を補うべくウクレレえいじさんがクリスマスソングをはじめ無尽蔵なネタを見せてくれた。いつものようにたくさん笑って心の栄養をもらいました。

翌日は、東京タワー50周年記念Tシャツを買うために東京タワーへ。お金のいらないフロアを見て回るだけでもやっぱり面白い。「ALWAYS三丁目の夕日」のジオラマやたくさんの写真、誰が買うのか分からないようなお土産まで見応えあり。雨を含んだ曇り空にオレンジ色が眼に鮮やかでした。

東京タワー周辺の風景も独特で、結界が張られているような風情があります。ちょうど今日、12月23日が開業50周年の記念日だそうです。

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2008年12月21日

winter wanderlust

setlist2008年12月20日@恵比寿天窓switch

夜の科学vol.19〜winter wanderlust

1.blue moon skyline
2.街をゆく
3.雨に負け風に負け
4.北風オーケストラ

5.クレメンタイン
6.ONE
7.三日月のフープ
8.夏の日の幻

9.believe in magic in summertime?
10.平和なるサバービア
11.真夏のスキャット
12.溶けて死ぬのさ

13.pilgrim
14.SING A SONG
15.ユートピア

EN
16.サテライト
17.クリスマスイブ(山下達郎のカバー)
18.拍手手拍子

19.sweet december
20.Jingle Bells




あたたかい応援と心強いメッセージをありがとう。
2008年お世話になったすべての人に感謝。
そして2009年もよろしくお願いします。

山田稔明  
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2008年12月18日

冷たい雨とグッド・ヴァイブレーション

dwarf冷たい雨が降るとても寒い日、髪を切りに広尾へ。映像編集とかちょっとした録音とかステージ構成だとかそういうことに終始する孤独な作業期間だったのでおしゃべりが楽しい。隣の席がミュージシャンで芥川賞作家の川上未映子さんで、挨拶をして少しお話をさせていただきましたが、とても穏やかで華があって素敵な人でした。良い“気”をもらった。

行き帰りの電車で西原理恵子著「この世でいちばん大事な「カネ」の話」を読みふける。折りにふれ手に取るよりみちパン!セシリーズの新刊だが、既刊のカタログ同様この本も大人が読んでも子供が読んでも何かしらの塊を胸に残す本だと思いました。くよくよしたり迷走したり「オレはこれからだ!」という人(全員だな)は読むといいです。

寒い日だったが広尾の灯りのデコレーションはとても可愛らしかったです。明けて快晴。今日も一日準備作業、BGMはずっとソニック・ユースとPAVEMENT。  
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2008年12月15日

とてもささやかで

santa押し入れをゴソゴソ整理していたらクリスマス・リースがいくつか出てきたのです(撮影用とかライブのときに飾るために買ったやつとか)。

ふっと思い立ってマンションの入り口の集合ポストのところまで持って降りてそっと飾ってみた。人の目に触れる場所に飾ったほうが部屋に置いておくよりもいいような気がしたからだ。

数年前までクリスマス時期に電飾で埋め尽くした家を見て辟易していたけれど、最近はなんだか楽しいような、心がほだされるような気分にさえなるのはなぜだろうか。

12月というのはとても独特な1ヶ月だ。誰も彼も浮き足立っているように見える。  
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2008年12月14日

NEW YEAR GREETING PROJECT

REMレコーディング作業とライブの準備と映像作りで日が暮れる。

今年もジョージア州アセンズからR.E.M.のファンクラブ恒例のホリデイ・パッケージが届いた。カレンダーとかライブDVDとかホスピタリティ溢れる内容に毎回感動、ファン冥利につきます。

それで今年も「NEW YEAR GREETING」企画をやりたいと思います。夜の科学vol.19に参加する皆さんに限られてしまいますが、ぜひお気に入りのポストカードを探してみてください。詳しくはオフィシャルサイトのSTAFF BLOGをご覧ください。


  
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2008年12月13日

銀杏並木とセレナーデ

ginkgyo冬晴れの気持ちいい日に終日部屋にこもって作業。

ふと部屋の角のスペースに緑が欲しくなり散歩がてら近所のガーデニングの店へ。この季節によく合う1メートルくらいのゴールドクレストを購入し、ネットの“猫に有毒な植物”サイトを事後確認してそのスペースに小さな緑を置きました。植物はいい。一輪挿しなんかも。

イチョウがきれいな季節だけれど、イチョウのことを英語で「ginkgo」(発音はギンコウという感じ)という理由が“銀杏”を「ギンキョウ」と読み間違えて、なおかつ「ginkyo」の「y」を「g」と誤字したからだということを知った。ウソみたいな話だ。

  
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2008年12月11日

さらなる冬支度

cut_treeたくさんのお祝いの言葉をありがとうございます。35歳になっても依然バタバタと落ち着かず、月曜日はミックス作業、火曜日はイトケンさんとのレコーディング・セッション。

仕事部屋にこもって処理すべき作業がたくさんあったのだけど12月らしからぬ陽気に誘われて吉祥寺をふらふらと万歩計を5000歩分歩く。黄昏前には水色の空に丸く白い月がきれいでした。

春にこぼれるような桜を咲かせた木の枝を勢い良く切り落とす職人さん。冬を越して春を迎えるための準備を僕は窓からしばらく眺めていました。  
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2008年12月08日

またひとつ歳をとって思うのは

週末。久しぶりのザ・カスタネッツを下北沢に観にいきました。ハックルベリーフィンとの2マン。今年は“裸眼”というソロユニットでで2回一緒に演奏したけれどもバンドのなかで歌う牧野元はやっぱり格好良かった。20年バンドを続けるというのはすごいことだと尊敬にも似た感情。

打ち上げで楽しくしていたら電車がなくなったので朝までたくさんの話をして、どういう流れか憶えていないが最後にカラオケへ。しゃべり過ぎて声が枯れた僕の両隣でカスタ元さんとハックルさくちゃんが「手と手、影と影」を熱唱する明け方。

明けて日曜日は大詰めのミックス作業。「旅路」をテーマにした盤はめくるめくポップアルバムになりそうだ。とてもいい感じ。僕の楽曲に惜しみない尽力を捧げてくれる制作陣に感謝。夜はファミレスミーティング。

そして今日、またひとつ歳をとって35歳になりました。35歳、ボブ・ディランが「ローリング・サンダー・レビュー」ツアーを、ジョン・レノンが原点回顧の『ロックンロール』を経て次男ショーン養育のために音楽活動を休止した年齢だ。記憶に残る1年にしたいと思います。

casta_quetetote  
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2008年12月05日

師走右往左往

いよいよ師走。バタバタとしていますが、打ち合わせもあってふらっと大阪に行って帰ってきました。帰りは飛行機の窓側で、富士山と東京湾の夕景が息を飲むほど美しかった。写真を撮ったら日本じゃないみたいに見えた。

帰るなり加古川のチャッツワースから小包が届いていて、「季節のお茶かしら」と喜びつつ封をあけるとなんと今年チャッツワース店長の田んぼで穫れたお米が5キロ。予想外で感動的。いつもありがとうございます。

hiltontaiyou  
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2008年12月02日

sweet december

tree2008年最後の月になりました。

毎年12月という月は歳を重ねる時期でもあるのでなかなか意義深い一ヶ月になります。

泣いたり笑ったり誰もかれも忙しい毎日だろうけども、いろんなことが面白く楽しくし心が喜ぶような感じになっていけばいいですね。

2008年が意味のある年だった、と言えるよう悔いのない30日間を。  
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