できなかったことができるようになったり、できてたことができなくなったり、と一進一退。手さぐりで体に慣らそうと毎日格闘しています。“家路アルバム”の作業に先駆けていろいろ試すためにこの週末から「early days of Toshiaki Yamada」の続編的なモノを録ってああでもないこうでもないとやっている。10数年を経てきちんと録音すると音楽は意外としっかり立ち上がってくる。
毎日暑いですね。毎年のことですが作業効率に響きます(猫も伸びて丸くなりません)。僕がGOMES THE HITMANを結成した1993年は確か記録的な冷夏だったはずで、米不足のせいで細長いタイ米やペットボトルに入った米などが印象的でした。1993年が冷夏で体調も良く活発だったから山田稔明はバンドを結成できたのではなかろうか、とさえ思うのです。
作業と平行して“夜の科学”でのセッションへ向けてミュージシャンをスカウトしているのですが、今月頭にイベントに呼んでくれたfishing with john、五十嵐祐輔くんを今度は逆指名、出演を快諾してくれました。彼とは数年前に高田渡トリビュートの録音で共演、その後は本の貸し借りや情報交換など文化交流が主でしたが、こないだギターでセッションしてみたら非常に手が合うというか、映し鏡のようなギターを弾くのが印象的だったのです。鍵盤ハーモニカも吹いてくれることでしょう。
「暗闇くんこんにちは」と歌い出される彼らの代表曲「Sound of Silence」の2コーラス目は、
In restless dreams I walked alone
Narrow streets of cobblestone
'Neath the halo of a street lamp
I turn my collar to the cold and damp
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
That split the night
And touched the sound of silence
と綴られるが、このなかの単語やフレーズに感化されて僕は『neon, strobe and flashlight』や『cobblestone』というタイトルをつけました。この日のライブを観て僕はぼんやりと「旅路/家路」ということを改めて思ったりもしたのです。
fishing with john五十嵐くんとは古い仲で、彼が105円で入手した高杢禎彦著「チェッカーズ」と僕が105円で手に入れたピーコ「片目を失って見えてきたもの」(どちらも名著)を郵送で交換しあったり文化的交流はあったけれどもライブでの共演は初めてでした。きれいなアルペジオを弾く五十嵐くんと「clementine」をやりたかったのでセッションも楽しかった。普段は歌わない彼のコーラスも聞けて、終演後は「五十嵐くん、次のアルバム歌っちゃいなよ」とみんなから言われて困惑の表情だったが面白かった。