来月リリースの『pale/みずいろの時代』のクロージングトラックに「Qui La La の夏物語」という曲を収録しました。気恥ずかしくなるくらいキラキラしたポップソングですが、命がけて書いた言葉。歌詞には太宰が登場します。雨ふり、水無月、桜桃忌も過ぎて、「太宰ならこう言うさ」のあとに続く「恋と革命のために生まれてきた」というのは『斜陽』のなかから引用したフレーズです。そして小説『猫と五つ目の季節』には同じく『斜陽』から「生きている事。 ああ、それは、何というやりきれない息もたえだえの大事業であろうか。」という言葉を引いたから、ポチと太宰は僕の中で繋がっている。
恵比寿天窓switchでのレコ発ライブ“夜の科学 vol.49 - pale blue days”は追加チケットも含めて完売となりました。全国各地からたくさんのお申込みをありがとうございました。7月9日加古川チャッツワースでのライブも満員御礼、CD発売日の大阪雲州堂での公演はまだ席があります。7月30日の緒川たまきさんとのトーク&ライブもソールドアウトとなっていますが、8月にはトラベラーズファクトリーでのイベントが今年も開催されますので(なんと5年目!)情報詳細をお待ち下さい。8月の新潟公演もたくさんのご予約をいただいています。確実なご入場を希望される方は早めのお申込みを。
ラジオ出演もいろいろ。来週6月24日(金)にはNHKラジオ第一の「ごごラジ!」、6月30日(木)はFM世田谷にて杉真理さんの「アフタヌーン・パラダイス」、7月4日(月)は静岡K-MIX、コントラリーパレードの「メゾンドアミ201号室」、7月16日は地元吉祥寺のむさしのFMで「Saturday Music Flow」とゲスト出演させていただきます。すでに新作『pale/みずいろの時代』からの楽曲オンエアが始まっているラジオ局もあります。今後ともどうぞよろしくお願いします。
ついにニューアルバム『pale/みずいろの時代』のマスタリング作業。音に関する作業はすべて終了。これで“THE END OF RECORDING”である。「THE END」と胸に書いてあるTシャツ、これは『新しい青の時代』完成のときも(そのときの写真、2013年4月26日)、『緑の時代』のときも(『緑の時代』のマスター音源、2014年4月)前作『the loved one』完成のとき(2015年6月1日)にも着た縁起物。長く苦しくもワクワクして楽しかったレコーディングデイズの終わりの象徴なのだ、僕にとって。今回はマスタリングを上野洋くんにお願いした。山田バンドではフルートとしてお馴染みだが、彼は有能なレコーディングエンジニアでもある。高橋徹也、ハンバートハンバート、松本佳奈と彼が担当する音盤にはいくつも触れていたが、今日はなんだかとても新鮮な作業だった。彼と知り合って13年くらい、長い付き合いになる。
予定枚数を終了して一旦受付を締めきったレコ発ライブ “夜の科学 vol.49 - pale blue days”の追加チケットを本日6月12日(日)21時よりオフィシャルサイト通販STOREにて販売します。立ち見になりますが、なるべくたくさんの人にご来場いただきたいと思っていますのでこの機会をお見逃しなく!ニューアルバム『pale/みずいろの時代』お披露目の公演となります。ご期待ください。
2016年7月2日(土)@ 恵比寿 天窓 switch
“夜の科学 vol.49ーpale blue days”
18:30開場 19:00開演/前売4000円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with 夜の科学オーケストラ
(itoken、安宅浩司、五十嵐祐輔、佐々木真里、近藤研二、立花綾香)
下北沢leteのステージは現在位置を再確認するための大事な場所。この日もリラックスしてこの空間を楽しんだ。先月湯川トーベンさんと話したときに「レテでやるならマイクもアンプも使わない生音でやってごらん」と言われたので序盤の夏の歌はアンプラグドで。12弦ギターの音が水平線に浮かぶキラキラした光のように響く。夏になると歌いたくなる「太陽オーケストラ」、京都でバンド演奏した「keep on rockin'」を弾き語りで。
新作『pale/みずいろの時代』発売前最後のライブということで、アルバムオープニング曲である「pale blue」を初披露。コードは2つ、ライブで大きくなりそうな歌。「スミス」を演奏する前に21年前、1995年に作ったカセットテープのデモを再生。気恥ずかしいが原点はここ。『pale/みずいろの時代』からこぼれおちたアウトテイクとして「毎日のポートフォリオ」と、恐らく初めて歌う「君の街まで」を披露。本来ポチの三回忌である6月19日に開催される予定だった本公演、ポチに捧げて「Qui La Laの夏物語」を。「きららちゃん」は僕の中ではポチのことなのかもしれない。ポチの命日が近いということでたくさんのお花をいただきました。同時にポチ実の誕生月なので「これチミちゃんに」という贈り物もいっぱい。ありがとうございました。
そして、予定枚数を終了して一旦受付を締めきったレコ発ライブ “夜の科学 vol.49 - pale blue days”の追加チケットを今週末6月12日(日)21時よりオフィシャルサイト通販STOREにて販売します。立ち見になりますが、なるべくたくさんの人にご来場いただきたいと思っていますのでこの機会をお見逃しなく!ニューアルバム『pale/みずいろの時代』お披露目の公演となります。ご期待ください。
2016年7月2日(土)@ 恵比寿 天窓 switch
“夜の科学 vol.49ーpale blue days”
18:30開場 19:00開演/前売4000円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with 夜の科学オーケストラ
(itoken、安宅浩司、五十嵐祐輔、佐々木真里、近藤研二、立花綾香)
先月末のこと、慌ただしく過ぎた時間をひとつずつ丁寧に振り返りたいと思います。4月の東京編に続き京都で行なわれたHARCO主催 “HARCOの春フェス in KYOTO”、前日入りして会場設営をして前打ち上げをして、京都で過ごしたあらゆる時間が楽しい思い出になりました。イベントを貫通する物語と雰囲気を演出してくれたヨーロッパ企画の皆さんの手腕も素晴らしかった。会場が元小学校ということで、廊下、教室、運動場、体育館と様々な記憶をくすぐって、心地良いタイムトリップのようでした。
われわれGOMES THE HITMANは東京に続きトップバッター。それに先駆けたヨーロッパ企画のお芝居で体育館(講堂)は笑顔とわくわくが満ちていました。僕らがバンドで東京の街以外で演奏するのはなんと10年ぶり(前回は大阪だったはず)。立ち見もでるほど満員のお客さんたちの熱視線に鼓舞されました。「雨の夜と月の光」で始まって手拍子も自然発生。続く「keep on rockin'」では4人のコーラスの重なりも心地よかった。「長期休暇の夜」を演奏しながら、なんとこの場に合った音楽、言葉、メロディなのだろうか、と自分で面白くなるほど。薄雲の向こうの午後の太陽が差し込む窓と「午後の窓から」のハマり具合よ。アコースティック編成でどうなるかと思っていた「愛すべき日々」でしたが、演奏途中でグワーっと4人が音の塊になる感覚があってびっくりした。わあ、まだまだ行けるなあ、と。
HARCOをピアノとコーラスに迎え入れての「僕らの暮らし」のセッションはこのステージの個人的ハイライトでした。音楽の教科書には載らない優しい歌、僕らが15年あまりかけて追求してきたのはそういう歌だったのだな、と確信しました。2016年春にこうやってGOMES THE HITMAN4人で演奏ができて、京都までやってこれたのはHARCOのおかげです。彼は「この3組でやるのを、ずーっと構想を練っていたんだよ」と言いましたが、それが結実したことが本当に嬉しかったです。最後は「手と手、影と影」「饒舌スタッカート」と駆け抜けました。20年近いキャリアを40分で総括するのは至難の業だと思っていましたが、なかなか春フェスのセットリストはかなりうまくいった気がした。たくさんのお客さんの声に触れ、まだまだGOMES THE HITMANでやり足りないことがあるなあと気持ちをあらたにしました。
夏の信州、北アルプス山麓。湖畔のキャンプ場で、本を愉しむフェスティバル「ALPS BOOK CAMP」に音楽で参加します。インドア派だったはずの自分が最近海とか自然に妙に惹かれるのが不思議なのですが、偶然か必然か、とても楽しそうなキャンプ場でのイベントにお誘いいただきました。本好きとキャンプ好きの間には共通項があるのかどうかを確かめたいと思います。今からてるてる坊主を作って好天を祈ります。イベント詳細はこれから随時更新されるオフィシャルサイトをご覧ください。
昨晩受付が始まった『pale/みずいろの時代』発売記念ライブ “夜の科学 vol.49 - pale blue days”はたくさんのお申込みをいただき定員数に達したためソールドアウトとさせていただき、会場設営プラン決定後に若干枚数の追加チケットを販売する予定です。できるかぎり観たい方に観ていただけるライブにしようと思いますのでまだチケットを確保できていない方も続報をお待ちいただきますようよろしくお願いします。すでに入金確認分から整理番号をお伝えするメールをお送りしています。レコ発ライブまであと1ヶ月、楽しみに待っていてください。
僕がパティ・スミスを初めて知ったのは高校1年生のころ、U2のボノが『魂の叫び』というドキュメンタリー映画のなかでパティ・スミスの「Gloria」を引用して歌ったことがきっかけだった。僕のアイドルであるR.E.M.のマイケル・スタイプのアイドルは彼女だ。同じように高校生のときにボブ・ディランの映像の後ろに映る男がアレン・ギンズバーグだということを知った。「僕は見た。狂気によって破壊された僕の世代の最良の精神たちを」、東京の大学へ進んだ僕はビート文学を学ぶ授業を選択し『吠える』に出会った。それから四半世紀経っても言葉は更新され続けるのだ、ということに感動する。パティ・スミスは抑揚をつけて歌うように朗読し、祈りのように歌を歌った。「このことを忘れないように」とパティに即され「PEOPLE HAVE THE POWER」を会場全体が唱和するのは美しい風景だった。
夜の科学 in 大阪〜tea for two(2016年5月29日 @ 大阪 Tea House 茶摩)【ライブ後記】
あっという間に時間が経って6月になってしまいましたが、とにかく濃厚な5月だった。高知からこっちのライブを振り返るのが後手後手になっているのでアップデートしていこうと思います。まず一番近い先週末29日(日)の大阪 Tea House 茶摩でのライブから。今年2月に奈良NAOTで行ったライブである方から「友人の営む小さな喫茶店があるのですがそこでライブを企画したら歌いにきてくれますか?」と声をかけられた。そのまっすぐな目を覗き込んだ僕には断る理由がありませんでした。何人かのお友だちの献身的なお手伝いとともに丁寧に準備されて、Tea House 茶摩でのライブはセッティングされたのでした。
「calendar song」には「時計の針は前へ前へ」という歌詞があるのだけど、そう歌ったときに客席の一番前でコソコソっと耳打ちするカップルの姿が目に入った。僕が2月に亡くなった村田和人さんの話を始めたらやっぱりそのお二人は村田さんの大ファンであることがわかった。「時計の針は前へ前へ」は村田さんの「BRAND NEW DAY / BRAND NEW SONG」に書いた一節を引用したフレーズで、もっと言うと同じ描写が小説『猫と五つ目の季節』にも登場する(本を読んですぐ杉真理さんは「山田くん、村田の曲に出てくるフレーズあったね!ライブでコーラスしてるからすぐ気づいたよ」と言った)。関西に来るドライブ旅で不意にカーステレオからチャットモンチー『告白』に収録された「CAT WALK」(高橋久美子作詞)が流れた。「私がいなくなったとしても/3分おきに電車は進み/きれいにきれいに花は咲き/戦いは止むことなく」と歌われるその曲を聴いて僕はなんだかわからないが猛烈に感動して泣きそうになってしまって、この日のライブで「BRAND NEW DAY / BRAND NEW SONG」を歌おうと決めていたのだ。もう泣かないで歌えるだろうと思っていたのに感極まって言葉に詰まってしまってかっこわるかったけど、とても素直な気持ちで歌えたのです。ハンカチもこれまでで一番ぶんぶん振り回されていました。
前の日にバンドで演奏した「keep on rockin'」をこの日は弾き語りでライブを企画してくれた方に捧げた。「光の葡萄」もこの日はちょっと違う響き方をしていたように思います。気づけばあっという間の2時間半。とても小さくささやかな空間だったのに、こんなに心の振れ幅が大きいステージは久しぶりだった。終演後は美味しいご飯をたらふくいただき楽しいおしゃべり。さっきまで明るかったのにもう夜でした。「スミス」を歌う前にさんざんThe Smithsの話をしましたがお店の隣の焼き鳥屋の名前が「スミス」というオチがついて楽しい一日が終わりました。田淵さん、お仲間の皆さん、本当にありがとうございました。この日が実現できて本当によかったです。また大阪へは7月に。奇しくも七夕、織姫と彦星の逢瀬。また必ず夏に会いましょう。
山田稔明『pale/みずいろの時代』完成を記念して、CD発売日に先駆けてレコ発ライブを開催します。昨年末以来、半年ぶりのバンド編成でのステージ。ドラムにitokenさん(相対性理論/トクマルシューゴ)、ギターはシンガーソングライター安宅浩司くん、今回ベースはマルチインストゥルメンタリスト五十嵐祐輔くん(fishing with john)が担当します。『pale/みずいろの時代』の多くの楽曲で共同アレンジをお願いした鍵盤奏者佐々木真里さん、そして「ポチの子守唄」、そしてEテレ0655おはようソングでもお世話になった近藤研二さんにも心強いサポートをいただきます。
たくさんのミュージシャンの力をお借りしました。近藤研二氏には前作収録の「ポチの子守唄」同様に編曲を託し演奏もすべてお任せした(「モノクローム」)。同世代の友人であり尊敬するシンガーソングライター高橋徹也氏にはコーラスを重ねてもらいました(「幸せの風が吹くさ」)。ソロのバンドで長年に渡って僕を支えてくれる安宅浩司くんと愛弟子である立花綾香は「セレナーデ」にそれぞれ力強いギターとコーラスを、上野洋くんは「my valentine」に軽やかなフルートを織り込んでくれた。同郷の後輩たんこぶちんのMADOKAが「Qui La Laの夏物語」に吹き込んだハーモニーボーカルは彼女が18歳のときの声、HARCOバンドの伊藤健太は自転車でうちにやってきてグルーヴィーなボトムを支えてくれた。GOMES THE HITMANから高橋結子がパーカッションで参加してくれたのも嬉しい出来事でした。
昨年末に、感想文を募集しましたが、その後もSNSなどでたくさんの嬉しいご感想を目にしています。そこで、重版決定を記念して、感想文&写真コンテストを再び開催したいと思います。今回も大人気の山田稔明さん作によるポチバッジをはじめとする豪華賞品をご用意しております。さらに、参加してくれた方全員に、ポチから暑中見舞いが届きます(本当は山田さんのサイン入りのポチのポストトカードですが、山田さんが倉庫を整理中に発掘した貴重なGOMES THE HITMANのグッズのデッドストック!)。
昨日のこと。2月に亡くなった村田和人さん、彼の音楽をずっと支えた村田バンドによるトリビュートライブがスターパインズカフェで行なわれる日。村田さんの人柄を象徴するような、たくさんの素晴らしいミュージシャンが集まって村田さんの歌に息を吹き込む感動的な夜だった。オールスタンディングでパンパンの会場。杉真理さん、斎藤誠さんというGOMES THE HITMANがお世話になったお二人をはじめ、伊藤銀次さん、杉山清貴さん、スターダスト・レビュー根本要さん、斉藤哲夫さん、センチメタルシティロマンスの中野督夫さんと細井豊さん、佐橋佳幸さんをはじめたくさんの諸先輩たち、そして村田さんの一人息子彼方くん、トーベンさんや山本圭右さんら村田バンドの面々。歓声と笑顔がはじけるステージ。村田さんの声と同期して演奏された「ビートルズを聴いてはいけません」も素晴らしかった。