オープニングは随分前から決めていた2曲。「way back home」で夏を終わらせて「遅れてきた青春」で秋の風を迎え入れます。夏休みの最後の日曜日のスターパインズカフェのスケジュールが空いててガッツポーズをしたときはまだ春でした。「手と手」と「ドライブ」を歌おうと決めたのは水曜日のインスタライブの後、大きな音で演奏したくなったのです。久しぶりにMartinの1964年製のエレアコF-55をたくさん弾きました。アンプはSilvertoneの1965年頃に作られたMODEL1482、アコギはギブソン1965年製のB-25、僕のお気に入りの、半世紀以上の歴史を伴う大切な機材を持ち込んでのステージでした(みんなに羨ましがられるやつです)。
「目に見えないもの」をトレモロで揺れるエレキでやるのがすごく気持ちよかった。また来年歌いたい。「high tide」はたまに熱烈なリクエストをもらう曲ですがこれも夏休みの終わりに切なく響きますね。『新しい青の時代』からの2曲「一角獣」と「ナイトスイミング」はいつも無限の力を僕にくれる歌です。「ナイトスイミング」が転調して盛り上がってサーッと元のキーに戻るところの「なに?今の夢だったの?」感が気持ちいいのです。脳内麻薬みたいなものかも。9月を目前に控えて「harvest moon」で本編を締めくくりました。新しい季節はもうすぐそこに。



アンコール「SING A SONG」は誰かがくれたリクエストに応えて。今の状況で僕とお客さんとの間でできる一番のコール・アンド・レスポンス。たくさんの方が配信でも観てくれて嬉しいし、今週末までアーカイブ期間あるのでもっとたくさんの人が追いかけてきてほしいとも思います。いつもどおり何のストレスもなく僕を歌わせてくれたスターパインズカフェのスタッフのみんなにも感謝。次は9月10日、そして9月20日の猫町フェスもよろしくお願いします。
ライブ当日、その日のお昼過ぎまで書きかけだった新曲を大きな音で歌ってみたくなったので配信終了のあとに会場のお客さんにだけ向けて歌いました。タイトルすらまだない曲。8月頭からずっと取り組んでいた新曲、それこそ彫刻みたいに、簡単に完成させずに、光を当てたり離れて眺めたり、一度放りだしたりして時間をかけて作ろうと思った歌で、まだサビの歌詞が数行書けてなかったりメロディがおぼつかなかったりするけれど、心躍るような良いことがほとんどなかった8月の自分自身の心の存在証明として、夏休みの最後の日曜日に宿題提出のようにそれを歌えたことがとても自分にとって嬉しくて、この日ライブをやった意味、意義になりました。始まりから終わりまでなんとか歌えて手応えを感じたので次は皆さんの前で完成形をお聞かせしたいと思います。また新しい季節に元気にみんなで集まりましょう。
この日のライブを録画アーカイブで9月4日(土)23:59までご覧いただけます
