2006年03月18日

歴史と真実の重さ

list3時間以上かけて「シンドラーのリスト」を観ました。一人の実業家が1100人のユダヤ人を救う、という映画ですが、しかし6,000,000もの命が非人道的に葬られたという事実をつきつけられたときに映画に救いのトーンはわずかで、最後まで溜め息とモノクロームの陰影にも似たざわざわとした感情に言葉をなくしてしまう。大学時代に知った「SHOAH」という映画を思い出し、この作品もどうにかして観てみたいと思いました。

そして、厳密な意味で「ホテル・ルワンダ」をアフリカ版「シンドラーのリスト」と呼ぶのは語弊があるのかもしれませんが、「ルワンダ」観賞後の感覚は「シンドラー」のそれと非常によく似ていた。ふたつの映画は、それぞれオスカー・シンドラーとポール・ルセサバギナの偉業を称えることを念頭に置かれたものではなく(ルワンダでは結局約
100万人虐殺された)、われわれを含む他の世界の無知に向かって史実を知らしめようとする真摯な意識のようなものから始まっているように思います。熱狂のなかで人が人を簡単に殺める風景の異様さを痛感させられました。

エンディングで流れるワイクリフ・ジーンの歌、「なぜアフリカはアメリカみたいにザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アフリカになれないのか、イギリスみたいにユナイテッド・キングダム・オブ・アフリカになれないのか」という言葉が印象的でした。

Posted by monolog at 12:38│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
「シンドラーのリスト」懐かしい。
女の子の赤い服の色がとても印象的でした。
Posted by pente at 2006年03月18日 20:26