
そして、厳密な意味で「ホテル・ルワンダ」をアフリカ版「シンドラーのリスト」と呼ぶのは語弊があるのかもしれませんが、「ルワンダ」観賞後の感覚は「シンドラー」のそれと非常によく似ていた。ふたつの映画は、それぞれオスカー・シンドラーとポール・ルセサバギナの偉業を称えることを念頭に置かれたものではなく(ルワンダでは結局約
100万人虐殺された)、われわれを含む他の世界の無知に向かって史実を知らしめようとする真摯な意識のようなものから始まっているように思います。熱狂のなかで人が人を簡単に殺める風景の異様さを痛感させられました。
エンディングで流れるワイクリフ・ジーンの歌、「なぜアフリカはアメリカみたいにザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アフリカになれないのか、イギリスみたいにユナイテッド・キングダム・オブ・アフリカになれないのか」という言葉が印象的でした。