2006年08月26日

“槍”と“矢”

brokenarrowずっと観たいと探していた西部劇をようやく見つけた!と思って興奮して「折れた槍(原題;Broken Lance)」という1954年の作品を観たのが数週間前。正確に言うとすごく観たかったのに何度頑張っても最初の10分で寝てしまって肝心のインディアンも背景程度にしか登場しない。なんだよこの肩すかし感は!と思っていたのですが、本当に僕が観たかったものをついに一昨日レンタル落ちビデオで発見しました。

僕が探していたのは“槍”ではなく“矢”、「折れた矢(原題;Broken Arrow)」、西部劇史上インディアン側の立場にたって書かれた最初期の作品でした。

コチーズという、ジェロニモと並ぶ有名なアパッチの酋長がフィーチャーされています。コチーズは「包み隠さずまっすぐに話しなさい。そうすればあなたの言葉も太陽の光のように我らの心に射すであろう」「話しなさい。私はあなたに嘘をつかないからあなたも私に嘘をつくな」というインディアンの象徴的なイメージを形成した重要人物である。

「アパッチが英語を話す以外はすべて本当の話だ」とナレーションが語りますが、正直かなりフィクショナライズされていると思うし、主要なインディアンを白人俳優が演じたためリアリティに欠ける。しかし半世紀も前のアメリカで、これだけ先住民側を持ち上げたり、パウワウのシーンを再現したり、勧善懲悪ではない素っ気ないエンディングで締めくくったりしたのはかなり画期的だっただろうなと思う。

Posted by monolog at 18:13│Comments(0)TrackBack(0)

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