
「かつては西部劇のスターとして鳴らしたものの今ではすっかり落ちぶれた俳優ハワード。突然すべてに嫌気がさした彼は撮影現場から逃亡、やがて彼は家を飛び出して以来30年近く帰っていなかった母親のもとへと向かう。突然の帰郷にも息子を温かく迎えた母はハワードに思いがけない事実を告げる。20数年前、若い女性からハワードの子供を身ごもったとの連絡があったというのだ。まだ見ぬ子供の存在を知ったハワードは、かつて関係を持ったウェイトレス、ドリーンのもとを訪ねるのだったが…。 」という筋書きだけでも魅力的。
アメリカの原風景的な古い街並やら荒涼としたネバダの風景とか最初から最後までとにかく映像が素晴らしい。この国の希望と絶望を静かに鮮やかに描くような優しくて哀しくて見終わって大きく深呼吸してしまうような作品でした。これは退屈しないヴェンダース映画だ。ああ、こういうアメリカのヒューマンドラマが僕は観たかったのだ。ストーリーも色も音もすべてがぴしっと僕の心にはまった。次は「ランド・オブ・プレンティ」だ。