
初夏に新潮に掲載された「その街の今は」は今年読んだ小説の中で群を抜いて肌に合うものだったので(7月30日の日記)、きれいな装丁に包まれて単行本になるのが嬉しい。保坂さん関しては「小説の誕生」という本が出る。さらに、’99年発表のポール・オースター「ティンブクトゥ」も柴田訳が出る。そういえば「言葉の海に声を沈めて」という曲はオースターの本を読まなかったら書けなかった曲だったと記憶している。幸せな読書の秋になりそうです。
ことさら柴崎友香は僕と同い年なのもあって何を書いても気になる存在で、個人的にはこの「その街の今は」は街をさまよい景色を眺める感覚で読み始めたら途中で止まらないような感じだった。みんなも同じように感じるのではないかと思う。