2007年10月04日

home sweet home DAY2

ful_4前日の夜、天神駅から西鉄電車に乗る前にはたとこういうキャンペーンをやっているのを思い出し、リリー・フランキーファンとしては書き下ろしイラストのブックカバーを手に入れねば、と妙に機転がきいて高校時代にもよく通った本屋でもう一冊松尾スズキのエッセイを買う。「カバーを二重に巻いてもらえませんか?」という僕の無茶なお願いに店員さんはニコッと対応してくれた。福岡は優しい。

蛍光灯の灯りの下でお線香を絶やさないようにしながら僕は眠いはずなのに買った本などを読み、それでもいつの間にか寝てしまって朝の5時に母親に起こされた。朝ご飯の支度に家に帰るから着いてこい、という。夜明けの光に山の稜線が浮かんでだんだん明るくなってきたが、プレミアムアウトレットとかショッピングモールとか家電店とか町のサイズに不似合いな大きな商業施設が増えすぎてどこを走っているの全然わからなくてボーッとしてしまった。




お昼になって最後の別れを告げる式。ある時期を境に礼服に黒のネクタイをあわせることのほうが増えてくゆく。いつも僕は“お経”のことを“呪文”と間違って呼んでしまうが、この日も地面と空から同時に響くような厳かな鳴り方をしていました。とてもいい式だったと思う。

故人の生まれ育った(僕も小さな頃遊んで駆け回った)山の麓に場所を移してまた手をあわせ煙がなたびくのを見上げる。真心ブラザーズの「空にまいあがれ」という曲を思い出した(「僕は僕を続けるよ明日からも」)。林、というか森。緑の多さで息が詰まりそうになる感覚。時間があいたのでちょっと山まで登ってみようということになって母親といとこのミッチと車で細い山道を行く。いつかの日記(8/15)に書いたおばあちゃんの家に辿り着きあちらこちらを見て回る。見慣れた景色が経年変化して場所によっては記憶にあったものがなくなったりしていた。畑を耕していた近隣のお婆ちゃんにも十年以上ぶりにあったが話し相手が少ないからかおしゃべりが止まらない様子。九州はこの日も前日も30度を越える残暑だったのですがさすがに山の上はひんやりと涼しく秋の肌触りでした。

山を下りてひととおりのことが終わって親戚集まり。久しぶりに顔を合わせた従兄弟たちも最後に見たときは中学とか高校の制服を着てたのに今は大人みたいな顔をして煙草を吸ったり生意気を言ったりする。太って貫禄を増したひとつ下の従兄弟マーに「おまえはおれより何歳年上やったけねえ?」と聞くと「なんばいいよっと、歳の差は時間が経っても変わらんばい」と返ってきてみんな笑った。

東京より日暮れが遅くまだ明るかったので、ふらっと母校のグラウンドまで散歩してみた。学校のまわりも様変わりして見覚えのない景色が多く、僕のセンチメンタリズムみたいなものも肩すかしをくらったけれども、意外と故郷というのはそれくらいの触れ幅を覚悟して接するものではないかと思った。

夜は親の車を借りてひとりでスパリゾート的な、無駄に巨大なお風呂に入ってゆっくりした。バリ風の巨大浴室に韓国アカスリが同居するようなシュールな風景が面白かった。疲れすぎていつ寝たか記憶がない。

ful_3ful_5ful_2ful_1kym_3kym_2kym_4


Posted by monolog at 11:56│Comments(2)TrackBack(0)

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
田舎で暮らしたことは無いのに、こういう景色をみるとホッとするのは、こういう自然が剥き出しの場所が本来、人間が棲むべき空間ということなんだろう。

明日、東京には戻られるんですか?私たちには次があるから山田さん抜きのKKBでも我慢しますよ。
Posted by たま at 2007年10月04日 15:38
なんか最近山田さんの曲を聞いていて頭に浮かぶ風景と
今日のブログの風景とを見比べてみて点と点がカチッとリンクしたような気がしました。
キッキンバーズに感じるのは茶色と緑とサンドカーキとかそういうアースカラーなんですが
そういうのも含めていろいろ繋がっているんだなーと思いました。お疲れさまですが
明日もいい歌を聞かせてください。楽しみにしています。
Posted by yume at 2007年10月05日 00:04