2008年02月14日

読みかけの本を積み上げてゆくのさ

plat1plat22月頭からずっとライブやその準備やらで活字離れをしていましたが、ホットカーペットの上で猫と並んで腹這いになりながら何冊か本を読みました。

小説を読むほどの体力はないので音楽的リズムのある本をチョイス。佐野元春著「ビートニクスーコヨーテ、荒地を往く」は佐野元春によるビート文学の先駆者たちへのインタビューを収めた読み応えのある、アカデミックな意味でも完成度の高い本でした。なにより佐野元春の文章のテンポがよく創造的なメタファーに富んでいて活字を追う目が喜ぶ感じ。あらためてビートニクたちの書き散らした作品を読みなおしたくなった。大学時代で一番突拍子もなくて面白かったのは「ビートニクとその時代」という1年間だけ開かれた授業でした。その授業は天気がよければ校庭でひなたぼっこしたり突然即興で英語の詩を朗読させられたりした。

直枝政広著「宇宙の柳、たましいの下着」はどのページを開いても読み入ってしまうような、文字情報の多い本で、音楽好きが作った音楽好きのための本という佇まいで、直枝さんの文章もかなり赤裸裸な感じで知らなかったこともいっぱい知れて聴きたくなる音楽もたくさんあって、こういう読書は身になるな、と思いました。

そして今僕はようやくお正月に買った町田康の「猫のあしあと」を読み進めているのですが、今はけたけた笑いながら作者と猫との暮らしを眺めてはいるが最後には絶対泣いてしまうんだろうな。なぜ猫とはこうも人間の目尻を下げさせ口角をあげさせてしまう生き物なのか。「猫をかまけて」のときも吉祥寺から渋谷への電車のなかで泣けて大変だったことをおぼえています。

ニール・ヤングが「音楽が世界を変える時代は過ぎ去ったのだ」という発言は字面で読むと非常に悲観的に伝わってくるけども、その後の声明を読むと歌を歌う意味/意義みたいなものが明確に浮かび上がってきて勇気が出た。

「音楽が世界を変える時代は過ぎ去った」と話したニール・ヤングからの声明文


今日もいい天気だ。

Posted by monolog at 12:01│Comments(5)
この記事へのコメント
ポケットのような月。
今まで出会いや別れを何度となく繰り返してきた中で自分が気付いていないものも含めて沢山の優しさを人からいただいていました。これから先のこと、まずは30年として考えています。これから先どう生きていくべきか。少しずつ輪郭が見えているような気がしています。いただいたものは返していかなければならないんだな、と。還元していかなければな、と。それが自分の人生の歴史になる気がしています。
Posted by ぐり at 2008年02月14日 23:08
僕も人々を動かすエネルギーが欲しいです。
それはすごく難しくて一生かけても出来ないかもしれないけど、それが出来たら自分に最高の自信がつくと思います。
それにはもっと苦労しないといけないな、と思いました。
Posted by なおと at 2008年02月14日 23:28
あ、直枝氏のこの本、読みたいと思ってたんだけど、高かったから後回しになってたんだった。思い出しました。
水族館レーベルの頃のカーネーションは好きなんですけどね〜。山田さんおススメの本なら、やっぱり読んでみようかな。
Posted by sisidothecat at 2008年02月16日 04:25
直枝さんの本は今私も読み途中です。こんど講義を受けに行く予定(笑)。
ぽちは読者の邪魔はしないのかな?うちの犬は本を読んでると本の上に乗ったり靴下脱がし攻撃を仕掛けてきたり邪魔ばっかりです。

明日も晴れそうですね。
Posted by TAMA at 2008年02月18日 02:35
同じ本を
読んでいる気がしていた

やっぱりそうだった
🐾

Posted by ねこ at 2021年11月28日 22:38