2008年03月29日

フィエスタ

spring8spring7街のいたるところで春を祝う催事が。スプリングフェア、スプリングフェスタ。

下北沢で立ち寄った本屋で買った本、ナンシー・ウッド「今日という日は贈りもの」の冒頭に月についての伝承話が書いてあって、それがとても美しくてイマジネーションをくすぐられました。


昔、父なる空(ファーザースカイ)は母なる大地(マザーアース)をその両腕に抱いて彼女と交わり、月が生まれた。月が彼方の星々の間でだんだんに大きくなると、太陽の犬たちが代わる代わる月に噛み付いた。月がこんな形になるまでパクッパクッと彼らは食べた。

ぼろぼろの月はそれでも空で明るく輝き続けた。すべての二本足と四本足の創造物たちが広場で輪になって踊り、見上げると月がだんだん大きくなっていくではないか!月は大きく大きくなって、ついにまんまるの幸せ顔になった。しかしまたしても太陽の犬たちが月を噛んでは少しずつ削りとった。こんな形になるまで。

そのとき以来二本足と四本足の創造物たちは月の満ち欠けに慣れた。ときどき太陽の犬たちが月に噛みつき、父なる太陽がその丸い顔に黒い影を投げかけるのに慣れて、これらの月に12の名前をつけることに決めた。




という話。真っ暗な夜の空の下でおばあちゃんから昔話を聞くような感じに心に染み込んできて、頭の中に絵が浮かんでくる。信じられないようなニュースややりきれない気分に苛まれる僕ら現代人が求めているのはこういう単純でシンプルな物語なのではないかと思いました。ゆっくり読み進めていこうと思う。


Posted by monolog at 01:41│Comments(0)TrackBack(0)

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