
1992年に発表されたこのアルバム収録曲のほとんどを大学時代にコピーしたから今でも全部そらで歌えるし、GOMES THE HITMAN極初期のオリジナル楽曲は英語詞でレモンヘッズ風な、やる気があるようなないようなのらりくらりとしたジャングリーポップだったから当然影響も受けている。アコースティックギターとグランジーな歪みと明快なメロディが当時のシリアスなロックシーンには妙に新鮮で、毎日このアルバムを聴いていたことを思い出す。
この中の「bit part」という曲は、まず低い声で「君の人生の少しだけを欲しいよ」と始まり、途中でオクターブ上がって「僕は君の人生のうち少しだけが欲しいんだ」と叫ぶ2分に足らないポップソングなのだが、恋する人を思う感情みたいなものが濃縮されてる、と昔から感じていたけども、15年くらい経っても色褪せない確かなものがあるなと改めて思った。
確かこないだの夜の科学のMCで「自分が書いた歌が誰かの生活の一部になったりBGMになったりしたらいいなと思いながら音楽をやっている」というようなことを僕は言ったと思うのだけど、この「I want a bit part in your life」というリフレインはそんな僕の音楽に向かいあうときのテーマソングとして1992年以来ずっと心の隅で鳴り続けているんだなとしみじみしました。