2008年04月23日

机上の妄想、イメージの力

desk時間つぶしに古本屋で買った「アメリカ文具図鑑」はなんと26年も前に出版された本だった。アメリカ文具のデザインの変わらなさに驚き感心。僕が歌詞書きとかちょっとしたメモに長年使い続けている天綴じ用箋(通称イエローパッド)についても、この本が書かれた1982年の時点で「使い勝手のよさが徹底的に追及されているから発売以来ずっとモデルチェンジされていない」と評価されている。僕のメイン筆記用具となって手放せないパーカーの万年筆とシャープペンもその本に変わらぬ姿で載っていた。

ずいぶん前にテレビで見たデザインに関するドキュメンタリー番組の中で「新鮮なものだけに価値があるわけではない。着古して肌になじんだジーンズのようなものにも同じだけ価値がある」という言及があり、“パティーナ(patina)”という、ラテン語で“経年変化”を意味するコンセプトが出てきてハッとしたことがあった。最新型もいいけど進化が行きついた“カタチ”も愛おしい。

ここ最近50歳を越えても旺盛に活躍する先輩たちのステージをたくさん観たこともあって「ノスタルジーではなくビンテージ」という思考の波が寄せては返すような感じだったので、いろんなことを考えながら日に焼けたこの古い本をぼーっと眺めていました。

たとえば今僕がステージで歌っている歌はきっと50歳になっても歌える歌だなあ...とか、次のCDはそれこそ『ripple』以上の耐久性があるものになるだろうあ...とか。いろんなことを思いながら来月のステージのことをチェスの駒でシミュレーションするみたいに練っています。


Posted by monolog at 14:40│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
「ノスタルジーではなくビンテージ」という表現がすごく印象的ですね。

作品にまつわる思い出がよみがえってはノスタルジーを感じるけれど、作品それ自身はビンテージ。
山田さんが作る音楽はそんな感じ。

『ripple』以上の作品になるであろう次回作を心待ちにしている今日この頃です。
Posted by ぱる at 2008年04月24日 00:56