
SOLE CAFE(「ソーレカフェ」と発音)があるのは紫野というところ。いわゆる派手な観光スポットが密集してるわけでもなく(金閣寺と佛教大学が近くにある)、アクセスもバスで行くほかないから至極便利という立地でもない。
だからだろうか、今まで見たことのない“リアル京都”というか、京都の普通の暮らしの風景を感じる街並だと思った。バスに揺られて走ると昔なつかしい親戚のうちに遊びにいっているような気分になる。京都の土地に根付く歴史とか時間を感じ、その後のステージで「すれ違う幽霊とくすぐったい思い出が僕の腕を離さずに繋ぎ止めている」という歌詞を噛み締めて歌うことになる。
初めて辿り着いたSOLE CAFEは夫婦が経営する小さなお店で所狭しと椅子が並んでいる。右手を見ると窓の外には行き交う人や車が見える。早めに到着したお客さんの姿も。カフェの壁に跳ね返った自分の声が響いてとても気持ちがいい。
ライブが始まってしまうとずっと楽しくてあっという間の2時間でした。照明を全部消してさらにアンプを通さずに生ギターと生声で歌った「home sweet home」、みんなでハンドクラップを3回鳴らした「SING A SONG」、この日のために作った「blue moon skyline」、想定外のアンコール「距離を越えてゆく言葉」。とても良い雰囲気の空間だったと思います。
ライブ終了後はSOLE CAFEで美味しいご馳走をいただく。店主夫婦は僕と同い年でとても素敵なふたり。話も弾む。またこの場所に歌を歌いにくるだろうなと確信。東京に戻ると「SOLE CAFEにとって勇気と未来を感じる決して忘れることのできない一日になった」という旨のメールが。僕も同じように、いろんな街に「帰るべき場所」が生まれていくという感覚が不思議に心地良くて忘れられない一日になりましたよ。
北海道、北陸、関東など遠方からのお客さん、そしてもちろん京都を初めてたくさんの関西のみんな、SOLE CAFEに大きな感謝を。


