2008年11月11日

INTO THE WILD

into the wild1,000円で映画を観れる日だったのでバウスシアターでショーン・ペーン監督作品「イントゥ・ザ・ワイルド」のレイトショーを観てきました。

実話に基づいた2時間半近いヘヴィな映画だったけれども、映画が終わるときが主人公が死んでしまうときだとわかっていたので「このままずっと終わらなければいいのに」と思いながらスクリーンを見つめていました。アメリカの自然も街も荒野もすべてが魅力的で、この映画がロードムービーなのかどうかは意見が分かれるところだと思うけれども、旅と人生はとても良く似ているなと感じた(原作を読みたくなりました)。

なぜ主人公は旅の先々でとても素敵な人たちと人間味溢れる交流を重ねて良い笑顔を見せるのに北へ北へと孤独な旅を選択するのか。最後の瞬間に主人公は自分の人生をどう評価したか。主人公は許しを与えたか。感想を述べるのに時間を要するような、いろんな気持ちを僕の心に浮かび上がらせる映画でした。うまく言葉にできない感情がふつふつと湧いてきて、この感情は何なのかとひとり考えながら寒い夜をとぼとぼ歩いた。

映画を観ると、“誰かがあのとき言っていたあの言葉”とか“いつか感じた漠然とした感情”なんかがふっと思い出されて、いろんなミッシングリンクが繋がってハッとする。うまく言えないが、ひとつ確かなことは、今日「イントゥ・ザ・ワイルド」を観て良かった、と思ったということ。


追記;まだ目を閉じると無慈悲なアラスカの風景が浮かんでくる。主人公が最後に日記に書き付けた「幸福が現実になるのは誰かとそれを分かち合うときだ」という言葉が印象的でした。おそらくトルストイの「光あるうちに光の中を歩め」からの引用だろう。トルストイの著書のタイトルも映画とリンクしてるようで興味深い。

Posted by monolog at 01:11│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
山田さんのライブを観るといつもいろんな事が繋ってハッとさせられます。そしてやっぱり「行って良かったな」と思います。
Posted by march at 2008年11月11日 01:43
映画は未見ですが、原作読みました。クリスは本当にトルストイが好きだったみたいですね。トルストイに言及する箇所がいっぱい出てきます。
原作、名著です。約300頁一気に読めます。是非。
Posted by YEAH YEAH YEAH at 2008年11月11日 06:24