僕が一番ストーンズを聴いていたのは多分中学から高校時代にかけてだったと思う。当時ボーカリストではなかった自分はクネクネ変な踊りを踊るミックよりも渋くギターを弾いてたまに味のある歌を歌うキースが好きだったけど、20年経って真ん中で歌を歌うようになった僕はとにかくミック・ジャガーという人の責任感と揺るぎなさと若さに感動した。
スコセッシはストーンズというモンスターバンドに翻弄される自分やスタッフたちさえ映画の演出に組み込み、観たことないくらいに躍動感のあるカット割りで本作を音楽ドキュメンタリーを超えたスコセッシ映画にしている、と思いました。
帰り道、うちにストーンズのアルバムは何があったっけな、と考えると同時に「おれ、明日から腹筋しよう!」と思わせるところが、好きとか嫌いに関係なくミック・ジャガーから放たれるポテンシャルの高さのあらわれだと思いました。
館内には見るからに僕より世代が上の背広姿のおじさんたちがたくさん(ロビーは喫煙者でモクモク)。音楽好き男子は観たほうがいい、と思いました。