レコーディング中の男同士の喧嘩から涙を流しながらの友情確認仲直り、そしてストーンヘンジ観光という流れが美し過ぎて落涙。それまで手持ちカメラでのドキュメンタリー然とした画風だったのが、ラウドパークのために来日して東京を散策するところでを突然ステディカムの流麗でなめらかな映像になったところがなぜか異常にぐっときて「あああ、よかったなあ、アンヴィル」と思いました。バンド生活を30年続け50歳を越えたおじさんたちに背中を押される思いです。
音楽を生業にするのは正直とてもしんどいことで、たまにちやほやされたり旅先で美味しいものを食べたりとかいい思いをちょっとだけできる以外は精神的にも肉体的にもきついことばかりです。シーンから見放されてもそれをやめないで長く活動を続けることはもしかしたらヒットを作ることより大変なことかもしれない。でも自分が愛する音楽とそれだけ長く付き合えるということが実は幸せなのかもしれないな。うちに帰って2年後には音楽から解き放たれてしまうNIRVANAの92年のレディングフェスティバルのライブDVDを観ながらそんなことを思った夜でした。