2010年04月14日

映画「第9地区」と、あの日の未知との遭遇

d9予告編から心掴まれ待望していた映画「第9地区」を観てきたのです。フェイクドキュメンタリーの体をとっているのも好みで、気持ち悪いエビみたいなエイリアンがもったいぶることなく何万匹も出てきたり(予告編であれだけモザイクかけているのに本編ではあっけなく登場します)不遜な悪人や陽気なお人好しや粗暴なエイリアンや登場人物もバラエティに富んでいて、それらがものすごい殺され方をしたりして、これは男子のための映画かもなあ、と思いました。CGありきの映画ではあるけれどもそれが途中から気にならなくなる。話の展開が目まぐるしくてあっという間の2時間でした。

九州の田舎町で暮らしていた中学生の頃、UFOを見たことがある(正確には「UFOを目撃した、という断片化した記憶がある」ということになるが)。冬の夜、学習塾の休み時間に僕と数人の友だちはその頃恒例になっていた“こそこそ隠れてタバコを吸う”ために寒空の下で白い息を吐きながら塾から少し離れたクリークのそばでなんかの映画の登場人物みたいにお互いのタバコの先をくっつけてかっこつけて顔をしかめながら火を付け合っていたのです。

真っ暗な山の稜線のほうから唸り声のような音が聞こえてきて僕らは「は!」と空を見上げると大きな円盤が静かに近づいてくるのが見えて、それはすぐに僕らの頭上を越えていった。僕らはタバコをもみ消し駆け出して後を追いかけたけどすぐにその円盤は見えなくなったのだ。・・・という断片的な記憶だけがなんとなく残りカスのように意識の底にあって詳しいことを誰も思い出せない、ということになって、僕らの仲間内では「おれたちは記憶を消されたのだ」という説が有力になったのでした。

僕に関しては、それ以降飛行機に乗るときにどうしたって金属探知機に引っかかるようになったので、「もしかしたらそのときに金属を体内に埋め込まれたのかもしれない!」というオプションまでつけて物語は肥大化していった。ちなみに30歳を過ぎてから全然探知機をスルーできるようになったから体内に埋め込まれた金属は15年でなくなるのだという逸話を付け加えてもいいかもしれないな。

かすかに残る記憶のなかにある、その夜見た円盤はちょうど「第9地区」の冒頭から登場する、ヨハネスブルクの空に浮かぶ円盤にとてもよく似ていた、ような気がしてきた。とにかく期待通り、予想通りの映画で満足しました。あの日あの夜目撃した未確認飛行物体のことをたまに思い出すような男子にはマストな映画だと思います。

Posted by monolog at 09:56│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
CM見て気になりましたが…
ムリだなぁ。これは私ダメだ。
「ゼブラーマン2」を楽しみに待ちます。
Posted by さちこ at 2010年04月15日 00:15
山田さんの少年時代のお話、本当に映画みたいですね。
風景が浮かんでくるような気がします。
こういうお話だいすきです。
Posted by kumimic at 2010年04月19日 22:57