山田稔明2ndソロアルバム『home sweet home』の全曲について思い出語りをしていく企画ものらりくらりとようやく9曲目です。西日本ツアー前には全部終わらせたい。
“Southern Comfort=南部のもてなし”という言葉があって、アメリカ南部では旅人や訪問客を両手を広げて心から歓迎しおもてなしするのが習わしだという。「sweet home comfort」という、少々わかりづらいタイトルはそこに由来しています。とても素直な歌だなあと最近ステージで歌って改めて実感しました。
実はこの歌はもともとは2MC1DJスタイルのHIPHOPグループが歌う姿を想定して書き始めた歌。なのでこの歌の初期のデモでは「揺られ/吐き出され/降られ」と押韻する部分でもう一人の山田稔明が合いの手を入れるというHIPHOPマナーなアレンジが施されていました。作曲時期的にも「SING A SONG」の兄弟曲のような印象があります。
この歌を書いているときに、とにかく“切なさ”というのがテーマとしてあった。僕にとっての切なさは「優しくて悲しい」という意味だったのでこういう歌ができたのだけど、他の誰かにとっての“切なさ”は“哀しさ”とほぼイコールだという話になって、僕は珍しく不服だと感じて「そんなに言葉を単純化するなよな」と独りごちたのでした。
この歌をライブでやるときには客席の皆さんに「home sweet home」というコーラスと「ただいまーおかえりー」という合いの手を入れてもらえたら嬉しいなと思っています。声に出さなくてもいいので心の中で唇を動かしてみてください。おもてなしをする気持ちで。