2010年07月18日

オルセー美術館展と愛しのチロ、センチメンタルな旅 春の旅

国立webずっと取り掛かっていた歌詞を書く作業の目処がたったのでずっと視界の隅に置いてあった「オルセー美術館展2010ーポスト印象派」に行ってきた。国立新美術館、初めて足を運んだがとても壮観な建物。金曜日のお昼、ものすごい混雑でこれ週末にはどんだけ混むのか、と思う。

展示されている115点すべて観るのに数時間、芸術ヴァイブが充満していた。点描の技法など目を見張るが、つまるところ何を書くかという意思の強さが絵の強さだと感じました。絵の感想を言葉で述べることの難しさと意味のなさよ。

孤独に思える絵描きたちが互いに影響を受け合って時代を作っているところも印象的。「わ、おまえのその描き方いいじゃん、おれも真似していい?」みたいな感じだったのか興味深い。

やっぱりゴッホとゴーギャンは圧巻、特にゴッホの「星降る夜」は遠くから見てもすぐ目に飛び込んでくるほど異彩を放っていました。あとアンリ・ルソー、これも絵の前で呆然と立ち尽くしてしまうほどでした。


web_3web_2乃木坂から表参道へ移動してRAT HALL GALLERYで「荒木経惟展『センチメンタルな旅 春の旅』」。これは本日18日までの展示なので興味のある方は急いで。チロの最後の時間を切り取った写真集をすでに何度も眺めていたので、ある種弔いの気持ちで向かったのだが、ページをめくる写真集と違って横並び2列にどんどん弱っていく愛猫の姿を追うとやはり鼻の奥がツーンとしてくる。

主人(アラーキー)を見つめるチロの瞳、その眼の光がゆらゆらとして涙をたたえてそしてゆっくりと消えていって胸が痛む。“A cat has nine livesー猫に九生あり”というが、この世界に永遠の命などなく、ひとつずつ思い出に変わっていくのだな。チロは写真集という棺桶にきれいに納められて幸せでしょう。

ということを考えながら表参道からキャットストリートを渋谷へと歩いて帰りました。

Posted by monolog at 09:55│Comments(2)TrackBack(0)

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
昨日、写真展に行ってきました!
同じくキャットストリートを歩いて帰りました。
Posted by さちこ at 2010年07月18日 21:56
何回も申し訳ありません。24日は、「雨の夜と月の光」を歌ってくださることを熱望いたします。
Posted by タクオ at 2010年07月20日 19:03