2010年08月27日

思うことはいつも

pochi夏は勢力を落とさずにめらめらと全国を熱し続けています。これが数カ月後には「ああ寒い、夏はよかった」と思ってしまうんだから日本の季節とはたいしたものですね。

毎日新しい歌のことを考えながら過ごしています。僕は常日頃から「この世界にもう音楽は足りている!(だけどおれはもっと聴きたいし作りたいのだ)」という持論/暴論を持つ男なので、“新曲”を作る必然性や歌の内容やモチベーションについて対峙するときにとても考え込んでしまう。自分に向き合うとても有意義な時間です。コンセプトもたてず、ただひとつだけ、必ず猫を歌詞のなかに登場させる、というルールを課して書いています。

秋のライブの調整を引き続きやってます。一足先に予約が始まった静岡、倉敷、金沢と順調にご予約いただいています。秋の季節が楽しみになるような、嗚呼、僕がいったことがないところにも僕の歌を聴きに来てくれる人がいるのだなと感動しながら、ふと思うことがあった。

ライブハウスやカフェのスタッフの方に「山田さんのお客さんは行儀が良くてゴミも散らからなくてみなさん素晴らしいですね」とよく言われる。そして次に言われるのが「男性のお客さんがこんなに多いライブイベントは珍しい」ということです。東京のライブでは一時は、「男:女=1:1」というくらいのときもあったほどで、これはステージから眺めた風景もちょっと印象的でした。

だれかと話していたときに「普段洋楽リスナーだが山田稔明のCDを聞いても照れたり恥ずかしくなったりしなくて、そこが、良い。そういうのって意外と少ない」という男性の意見を聞いたこともあって、それは僕の歌が“明快なメッセージソング”ではないからだろうな、とも思った。

でも、東京から離れれば離れるほど、この男子占有率が少なくなっていくことに少し前から気づいていて、今回特に初めていく街に関してはそれがとても顕著である。「東京から離れれば離れるほど(僕の音楽を聴いている)男性は社会的地位が高く忙しくライブなどに出かけるヒマはないのだ」という仮説を考えても「いや、短絡的すぎる。違うな」となる。分母の数自体の問題かもしれないしな。

大学生の頃、スピッツの『空の飛び方』というアルバムの発売記念トークライブ(インストアじゃなくて)が池袋WAVEであったときに僕はふらっと出かけていったのだがそのときの客層が98%が女性で、恥ずかしくてうつむき加減でグッズが当たるジャンケン大会に参加したことをと突然思い出したのだけど、たぶんここ数年の「夜の科学」にそういう雰囲気はないのではないかと思うので男性のみんなも来るといい。なにせ僕だけが知っていることだが男子がサインと握手の列に並んでくれたら「同志よ..」とテレパシーをおくっているのだから。女の人も誘える男子がいたらぜひ連れてきてください。「テレパシー来るってよ!」と。

残暑見舞いに福岡のcafe tecoから手嶋さんが作った大粒の梅干しを送っていただいた。「一日一粒!」と書いてあって夏バテにはとても効く。それから昨日はひょんなことから香川の製麺所から、ものすごく立派なうどんを素敵なポストカードとともにいただいた。形あるものはそっと消えていくけど、味とか、歌のメロディや思い出はなくならないものなのだな、とクーラーの効いた部屋で思いを馳せている夏の朝だ。

pochiumeudon

Posted by monolog at 11:11│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

おもいは伝わるもの。誰かの唄は、そういうもの。

Posted by ぐり at 2010年08月27日 20:30
なるほどー、そういうふうに思われているんですね。
男客であるわたしとしては安心しました(笑)。
うけとめます。テレパシー。
Posted by amp at 2010年08月27日 22:37
商売人は「今は女性をターゲットにしなくては勝てない!」と言うが
(それは商売的には正しいのだが)

山田君の歌は男性的だよね。風の吹く丘に呆然と立ってる青年,という感じがする。
そしてそれも良いんじゃないか?って思わせる感じがある。
で、あんまし客の方を向いてない(笑)程よく。

客(今時の商売人的には主に女性)の方を向き過ぎると
歌が生臭くなる傾向があると思う。これは確信的にそう思う。
そしてオンナノコに生臭い肉食が増えた以上そうならざるを得ない
今時の草食系オトコノコ達に
(オトコノコがやや夢見がちで遠くを見ようとするのは当たり前だ!)
風の吹く丘に立つオトコノコの歌は響くのかもしれない。

昔からネオアコってオトコノコの音楽だと、ずっと思ってた。
俺も女性的に生臭い音楽はジャンルを問わず苦手だから。メジャーのほとんどはそう。

なんか、音楽評論家みたいな気持ち悪い(笑)分析だけど。
Posted by タナカ at 2010年08月27日 23:13
猫のルール、すてきですね。
たまーに山田さんファンの女性に、なぜ男性なのにそんなに山田さんが好きなの?と訊かれますけど。
別に山田さんラブなわけではないので、音楽が好きなわけです。

だけどこんなに長くずっとライブへ足を運び続けてるのは、嬉しいことです。

会社内で立場が上になると、仕事のことだけを考える比率が高まっていくのかなと思います。
社会人になると、平日の早い時間のライブにはなかなか行けなくなりますし。普通は。
Posted by 増田 at 2010年08月28日 13:06