2010年10月20日

スタッフ・ベンダ・ビリリと三鷹の奇跡

benda映画「ベンダ・ビリリ!〜もうひとつのキンシャサの奇跡」を観て感動し、ばっちりのタイミングで自転車で行ける三鷹でのコンサートがあると知り行く気まんまんだったスタッフ・ベンダ・ビリリでしたが、前売りチケットは既に完売、キャンセル待ちも望み薄く、ティピー作りでお世話になった三鷹のNPOの人を伝っても入手困難。

当日を迎えあきらめ半分、会場の雰囲気だけでも、と出かけていった三鷹市公会堂。窓口で当日券の有無をたずねるも一切発券なしとのこと。ちょうど会場に着いたチケット確保ずみの知り合いに「やっぱりだめでしたー」と泣きついていると、ひとりのおじさんが近づいてきて「もしかしてチケットをお探しですか?」と。一枚あまって困っているとこなんです、となんと定価で券を譲ってくれたのだ。嗚呼、願えば奇跡は起こるものかな。身体が折れるほどおじぎをして御礼を。

果たして目撃した生のスタッフ・ベンダ・ビリリは映画で観るよりも演奏が巧みで、実質楽器はガラクタドラムとベース、ギターと一弦ギターのサトンゲ、そして声だけだが温かみのある音像だった。三鷹市招聘で子どもやお年寄りもたくさん来場されてたのだが、たくさんの人が最初から最後まで立って踊って手を叩いて揺れていた。

映画のなかで特にフィーチャーされたロジェという若者はとてもおしゃれないでたちで客煽りもお手のものという感じ。スター性をいかんなく発揮していました。しばらくは「サラ・モサラ(働け)」という曲を脳内リフレインしながら作業したいと思います。

ライブの途中、自分が腰をいれてクネクネと踊っている事に気づいて「おれ、こんなふうに踊れるのか」とハッとする瞬間があった。小沢健二「シッカショ節」のときにも思ったことだが、リズムが強烈な音楽には言葉があとからついてくる。

終演後は全員がサインをしてくれた。手が痛いほどの強い握手。フランス語を話す彼らだが、僕の第二外国語はなんのためにあったのか、というほど言葉が出てこない。かろうじて「僕の名前はトシアキです」とリーダーのパパリッキーに伝えたら「おれの名前はリッキーさ!」と満面の笑みを見せてくれました。

観ることができてよかった。映画を観なければ彼らを知ることもなく、ここまでたどり着けなかったと思うといろんな偶然とか必然とか、姿の見えないなにもかもにも心から感謝したいと感じる。

Posted by monolog at 11:29│Comments(0)TrackBack(0)

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