2010年10月28日

秋の北陸;DAY2(10月24日)

kanazawa2kanazawa1しっかり寝て疲労回復、朝起きてホテルにて朝食。富山は泣き出しそうな曇天。昨日晴れすぎたのだな。

北陸自動車道で金沢へ向かう。ひょろっと伸びる木々の形とか目につくものがすべて新鮮。五箇山の合掌造りの看板が流れてきて俄然行ってみたくなるが今回の旅では時間的に断念。次は絶対。

道中、右も左も空が白くかすんでいる。霧だと思ったものは野焼きする畑からたなびく煙だった。僕は昔から物を燃やす匂いが好きだ。懐かしい匂い、窓を全部開けて深呼吸しながら運転。

1時間もせずに金沢に到着、兼六園と21世紀美術館まわりをぐるっと流す。ガイドブックでチェックして、メールで結ちゃんからもおすすめされたcollabonを覗いてみる。お店のチエさんと話していると共通の名前がたくさん出てきて盛り上がりつい長話。

前々日にアノニマスタジオ/in-kyoの中川ちえさんに「先週金沢に行ったときもっきりやで御飯食べたら山田君のポスターが貼ってあってデジャヴ!と思った」という話をされたばかりだったのだが、collabonのチエさんと中川ちえさんは古い付き合いで、そのときもお茶したそう。とても美味しいコーヒーをいただいた。ずっとなでていたい“だんご”という名前の犬がいて、この場所で演奏するのもいいなあといろいろ想像を巡らせました。

kanazawa3kanazawa4金沢はなかなか駐車場が見つけられないのが難点だが、歩けば歩くほど本当にいい街。入り組んだ路地にある、あうん堂という古本屋カフェを覗いたあと、観光客で賑わうひがし茶屋町へ。僕の小さな軽自動車は意外とどんな道にも入っていけるのだな。

遅めのお昼ご飯を自由軒で(collabonで教えてもらった有名店だった)。名物のオムライスに惹かれつつも日替わり定食のホタテバターとフライのセットでライフ回復。美味しいものが一番効く。特に30代半ばを越えるとな。

僕がライブをやる日には雨が降らないというジンクスは敗れてついに雨が降り出した。こういう日もあるさ、と雨の小京都を眺めながらもっきりやへ。しばらく歌っていなかった「雨の夜と月の光」を歌うことにした。

もっきりやは予想通りのウッディな佇まいで、電話とメールで何度もやりとりしていたマスターは、初めてお目にかかったとは思えないくらいイメージ通りの“もっきりやのマスター”でした。いつも仲良くさせていただいている長門芳郎さんの古くからのお知り合いとのことで話も弾む。店内にはたくさんの写真と古いポスター。そう、僕はここで歌を歌いたかったのだ。


開演時間から少し押して、ふと思いつき最後尾から僕がウクレレを弾きながらPAを通さず歌い歩く「coffee」からライブを始めた。僕のことを初めて観る人もたくさんいただろうけども、この日もCDになってない今年の夏に書いた新しい歌をたくさん歌った。雨はずっと降り続いていたがもっきりやのなかはとてもあたたかな空間ではなかったか、と思います。

kanazawaもっきりやの大きなピアノを弾かせてもらって「歩いても歩いても」を(今回のツアーでここだけだろう)歌った。2時間半のステージで声がどんどん枯れていくのを感じたのですが、とても心地良い疲労でした。じっくり聴き入ってくれた皆さんに感謝。

終演後はもっきりやで鍋とビールをいただく。マスター平賀さんがレコードをかけてくれて静かに思い出語りをしてくれるのをしばらく聞いていたら、ドアがひらいてハットのおしゃれなおじさんが入ってきた。小松が生んだ伝説のバンド“めんたんぴん”の佐々木忠平さん、日本のロックの教科書には欠かせない重要人物。

kanazawa8平賀さんが「めんたんぴんは日本のグレイトフル・デッドなんだよ」と言うから、僕が「デッドの好きな曲にちなんで『ripple』というタイトルのCDを作ったことがあるんです」というと、忠平さんはデッド「ripple」の日本語詞を唱え始め「あの曲を知ってるなんて、おまえはわかってるな」と言ってくれました。佐々木忠平さんはNHK BS2で11月に放送される「ロック誕生」という番組(11月9日放送)に出演されるとのことでした。

お酒も入って賑やかになり、話の流れで忠平さんは自らの代表曲「木こりの歌」を僕のギターを弾いて歌ってくれて、僕は「手と手」を聴いてもらっていろいろ批評してもらった。いい出会いだなあと思ったし、平賀さんもとても楽しそうで、「猫がいる店があるから」とお店をしめて、もっきりやから歩いて30秒くらいのPaper Moonというお店に移動して2時過ぎまでお酒を。

もっきりやの打ち上げで平賀さんが聴かせてくれた早川義夫さんとHONZIさんと佐久間正英さんの演奏がとても耳に残っている(もっきりやのトイレに貼ってあったライブ告知のチラシにも愛情がにじんでたな)。東京に戻ってきて時間ができたら探してみようと思う。

金沢はライブまでの時間もライブ本番も、ライブの後もずっと貴重な時間が流れていて、ここにきて本当によかったなあとしみじみ思いました。たくさんメールを書かないといけない人が増えてゆく。また来年、帰ってきたいと思います。

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Posted by monolog at 17:43│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
金沢でのライブに行きました。
山田さんも書かれているようにとてもあたたかなライブでした。
思い出しては心の中がぬくぬくします。
友人と3人で行ったのですが、
山田さんのライブを初めてみた友人2人は、
帰り道で「声が素敵」「CDと印象がまた違って、ライブよかった」
と山田さんのことをほめにほめていたので、
「ああ、この会話を山田さんに聞かせてあげたい…」と思いました。
また来てくださいね。
Posted by ミカ at 2010年10月28日 23:45
金沢まで来て下さって有り難うございましたー!!
山田さんが自分の住む街で歌ってるってことがとても嬉しく、不思議でもありました。
ブログにある自由軒行った事ないんですけどうまそうですね。
まだまだおススメのところもあるので、また来年も来てくださいッ!!
Posted by きよぽん at 2010年10月28日 23:50