

きっとこれが旅の魔法というものだ。その終わりが近づくほどになるべくたくさんのものを見てたくさんの場所を訪問したいという気持ちがわいてくる。
10時にチェックアウトして昨日立ち寄れなかった北浜アリーへ赴く。ここは高松市北浜町にある古い倉庫をリノベーションした複合商業施設で、独特の佇まいが目をひく。
おどろくほどたくさんの雑貨屋、ギャラリー、レストランにカフェが並ぶ。特にジャンル豊かな雑貨の品揃え、雑貨好きにとって天国のようなエリアだといえるだろうな。目指したのはumieというお店。赤さびたトタンの倉庫の階段を登ると広い雰囲気のいいカフェがそこにありました。





とても色鮮やかなモーニングセットをいただく。結局予想以上に長居してしまい、駆け足で周辺のお店を駆けまわってなんとか気が済んだ。さらば香川、今思えば屋島にも行ってみたかった、と思うし、何よりもカフェアジールを紹介してくれた岡製麺所に肉うどんを食べにいく計画をスケジュールの都合で断念。次回は必ず!
そして一路、徳島へ。雲行きが怪しくなりフロントガラスにはポツポツと雨粒も。もう少しだけ我慢して!と願いながら僕らの車は大きな吉野川を越えてゆく。


僕のライブは14時開場16時開演、並行して“ニサンジカンクライノツドイ”は正午からすでに始まる、という事前情報を聞いてもイメージを掴めなかったのだけど、たどりついた会場はすでにたくさんの人で盛り上がっていた。
会場の写真でも伝わらないと思うのだけど、階段でつながる3つのフロアがあって、そこで作家さんがワークショップをしていたり、おでん屋さんの出店があったりレコードを回しているDJがいたり弾き語りをしているシンガーがいたり。
そして一番上のフロアはカフェになっていてaalto coffe庄野さんが“アップダイク・ブレンド”というコーヒーを一杯ずつハンドドリップでいれていた。そこが僕の歌うステージになるのだった。ああ、今日もまた面白い一日だなあ、という思いを通り越してリハの段階で「ああ、今日の日が終わってしまったらさびしいなあ」とさえ思う。
開演前にはお客さんでいっぱいになった会場。正直言って初めて訪れる街でこんなにたくさんの人たちが歌を聴いてくれるとは思ってもいなかった。すでにとても幸せな気分でステージへ。昼から夕暮れ、そして夜と3つの風景が窓の外に。






僕の歌を初めて聴く人もたくさんいて、とても新鮮な気持ちで言葉をはっきりと発音するように心がけて歌いました。庄野さんからのリクエストで予定になかった「街をゆく」を。「カフェの厨房から(コーヒー編)」も蔵前から発展したように思う。この日の「情熱スタンダード」はすごくいい響きでした。
この日のアンケートからいくつか紹介します。
◎「些細なことのように」で撃沈しました・・・。(42歳・女性)
◎初めて聴く曲でこんなにもいいなあ、好きだなあと思えることってそうそうないです。(自営業23歳)
◎すっかり曇ってしまった窓を見てこの部屋は外より温かいのだなあと、それが一番の発見でした。(33歳)
◎心がゆるやかになる日曜日が過ごせました。またどこかで!(小学校の先生・23歳)
◎来春から新しい生活が始まる前に「情熱スタンダード」が聴けたことは私の心の中に深く刻まれました。(広島県・34歳女性)
この日もたくさんのサインと握手。CDが飛ぶように売れてびっくりしました。ありがとう。


確かライブ撤収が20時で日付が変わっても饗宴は終わらなかったような気がする。僕もようやく気兼ねなくビールだワインだと楽しく思う存分おいしいお酒を味わいうことができました。ホテルにいつどうやって帰ったのか。
とにかくaalto庄野さんとの出会いから「ぜひ四国でライブをやりたい」という希望を半年かけて実現させた今回のツアー、3日目のライブも大盛況のうちに終了したのでした。
この日出会ったたくさんの皆さん、歌を聴いてくれた皆さん、遠くから近くからわざわざ足を運んでくれた皆さんに大きな“ありがとう”を。