2011年06月03日

「壁と卵」「蝸牛と雀」と気仙沼からの手紙

写真サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでいく」という曲を昔はあんまり好きではなかったのだけど(音楽の教科書に載っている曲は優等生的でつまらないと判断してしまうバイアスがあったのかも)、『明日に架ける橋』の40周年記念盤がきっかけで最近あらためて歌詞を読みながら聴き入ってみるとどんどん好きになってきた。

「私はカタツムリより雀になりたい」「釘になるよりもハンマーになりたい」という歌詞だけれども、これは逆説的に村上春樹がエルサレム賞を受賞したときのスピーチで言った「固い壁とそれにぶつかって割れる卵があるとしたら私は常に卵の側に立つ」という、“壁と卵”スピーチと同じことを歌っているのではないか、と考え始めたらとてもこの歌が深遠なものに思えてきたのです。

3月の地震以降いろんなことを考えたり考えあぐねたりしますが、どうしたって季節は進んでいって快適な初夏は梅雨になってまた燃えるような夏を連れてくるので、なんとか僕らはあくせく暮らしていかないといけないのですね。週末は京都と大阪へとロングドライブですが、こんな時代に歌を歌う旅ができて幸せだなあと思います。その夜にしかできないライブをやるつもりです。楽しい週末になりますように。



【気仙沼からの手紙】

気仙沼からメールが届きました。

「気仙沼の街はだいぶ落ち着きました。瓦礫の山も少しずつ片付き始めています。
一方で修復不可能な家の取り壊しも始まり、そこに住んでいた方の気持ちを推し量ると
辛い気持ちになります。仕事で復興計画づくりに携わることになりました。
故郷の将来を決める大事な職務を頑張りたいと思います。

明日から関西ですね。東北は梅雨入り前の初夏の気候、
やっぱり山田さんの夏の歌が聴きたくなりますね。
良いライブになることを祈ってます。

それではまた。」

Posted by monolog at 23:34│Comments(0)TrackBack(0)

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