この日はだいたい45分くらいのセットだったのけど、こないだ買った12弦ギターをどうしても鳴らしてみたくて、結局短い時間のなかでMartinのOM18Vをメインにギタレレと12弦でいろんな音で伴奏を。特にギタレレで歌った、2000年20世紀の終わりに書いた「世紀末のコロンブス」という曲は震災後福島から札幌へ移り住んだ伸也さん一家の姿と重なってとても不思議な気分に。「太陽が僕らの街を焼き尽くすんだ」という歌い出しから「子をふたり連れ/行く/ふたりづれ/遠き日のコロンブスみたいに」というフレーズが10年前と全然違って響いた。
演奏後は僕もトークに加わって3人でおしゃべり。前日の国立アグレアブルミュゼでのトークはひそやかな語り合いのような親密な雰囲気だったが、この日はこの日にしかない熱い雰囲気があったように思う。灯りの明るさで部屋が違って見えるように、白壁のcholonではわれわれのこの1年の話に違うライティングが当たっているような感覚。伸也さん一家が札幌でスタートさせた「たべるとくらしの研究所」 、今月20日にそこへ歌いにいく。僕がこけら落としライブになるそうなので、嬉しい。札幌の皆さん、遠方からも、ぜひご来場いただきたい。
イベント終わってみんなで打ち上げ、伸也さんは「世紀末のコロンブス」を聴いてゾワゾワっと鳥肌が立った、と。観にきてくれたin-kyoの中川ちえさんは「hanalee」でなんだか知らないけど涙が出た、と言ってくれた。なっちゃんや巣巣を含め、ここ1年数カ月の間に知り合った人たちととても意義深い交わりを持てている、と感じる。今月はあんざい果樹園取材がもとになったdans la natureの本とのジョイントツアーの総まとめ。またいろいろなことを考える3月になるのだろう。



