さて、あっという間に数日過ぎてしまいましたが日曜日に巣巣で行われたイベント「愛のかたまり:猫に鈴をつけるのはだれ?」の話。8月半ばにこの催しのクロージングライブが決まり、ソロ弾き語りで静かな夜を、と考えていたのだけど、たくさんのクリエイターの手により展示されたポスターや各種表現がとても生き生きと見え、オープニングのHARCOとQuinkaのライブもとても良くて、しんみりするより笑ったりワクワクしたりする演奏がしたい!と思ってヒックスヴィル中森さんに急遽駆けつけてもらうことに。
dans la natureなっちゃんともお菓子の打ち合わせをして、彼女の真骨頂であるマフィン(瀬戸内豊島から持ち帰ったイチジクと黒糖)に「猫に鈴をつけるのはだれ?=言うは易く行うは難し」の旗を立てたものを用意してもらいました。巣巣までの道中はずっと瀬戸内に浮かぶ豊島で地元のお母さんたちとお菓子作りをした話を聞き、なっちゃんも良い体験をしてるなあと感心する。夕方に到着、いつものようにバタバタとセッティング(僕はこの日のために彫ったハンコと思い出ノートを忘れてしまう・・。次回ライブ時にハンコ展やります)。
中森さんを呼び込む前に9月になって初めての「harvest moon」、そしてこの夏最後の「夏の日の幻」歌い納め。中森さんを呼び込んでからは調子に乗ってまた気持よくAMERICAのカバーを歌う。実はこの日中森さんに声をかけたのは前回市ヶ谷でのライブリハーサルを山田宅でやったときに夜遅くまで話し込んだ話題がきっかけでした。中森さんは長崎出身、親が被曝手帳を持っているという話を聞いた。生まれてこのかたずっと放射能について意識的であった中森さんにとって東日本大震災以降の“NO NUKES”に関しては思うところがある、と少し真面目な話をしたことがとても印象的で、いろんな立場のいろんな思いを想起させるようなやりとりができたらなと思っていて、実際そういう感じになった、と思う。
このライブに際して「山田流の“RC『カバーズ』”的な試みの歌を聴きたい!」というリクエストを受け、僕はAMERICAの「I NEED YOU」という曲に日本語詩をつけて歌うことにした。外国の曲に日本語詩をあてるというのはヒックスヴィルの得意技でもあるからこの日に相応しい試み。中学生の頃からずっと聴いてきた歌に言葉を乗せる新鮮さと喜び。ピアノで始まる原曲を聴きながらイシカワアユミさんに巣巣のアップライトピアノを弾いてもらおうと思い立って連絡したのが数日前。リハーサルをする時間はなく譜面とMP3のやりとり以外は手合わせもなく当日のぶっつけ本番に。
さらにこの日は先週に引き続きヒックスヴィル真城めぐみさんが来てくれることに(これも前日に決まった)なったので「I NEED YOU」にコーラスが加わる。背を曲げて僕の譜面台の「I NEED YOU」の日本語詩でハーモニーをつける真城さんのヴァイヴスをじんじん感じながら。「花が雨を必要なように、冬に春が必要なように、僕にはあなたが必要だ」と歌われる原曲に僕は「愛のかたまり」展に際して感じた気持ちをふりかけました。とても良い夜になった。力を添えてくださったミュージシャンの皆さんに心から感謝。一人ではできなかったこと。
展示に参加されていたたくさんのイラストレーターさんたちも含めて楽しい打ち上げ。ライブの感想を熱く伝え合ったり、遊びにきてくれた元チャットの高橋久美子ちゃん(愛媛出身)とdans la natureなっちゃんが瀬戸内の豊島の話で見つめ合って話しこんでいたり、今はもういなくなってしまった人との繋がりをたぐりよせるような邂逅もあったり、猫の話で盛り上がったり・・・僕がライブ中のMCで言ったように「嗚呼、今日は9月9日ではなく8月40日、今日まで夏だ。夏の最後の日の思い出だな」としみじみしました。この場をぐいっと立ちあげてくださった平澤まりこさんをはじめとする発起人の皆さんに感謝。
この展示で掲げられたポスターはすべてフリーダウンロードできるようになりました。こちらからPCへ保存してプリントアウトすることができます。会場へ来れなかった皆さんに僕からも何かを、とこの日のために演奏した「I NEED YOU」のムービーを公開します。山田稔明、中森泰弘さん、真城めぐみさん、そしてイシカワアユミさんとの初めて奏でたシーンです。歌詞も載せておきますね。またどこかでこの歌をこのメンバーで歌えたら嬉しいなと願いつつ。