2012年10月25日

声をあつめにいくツアー新潟編 [DAY3;2012年10月22日]

新潟で2度目の朝、東京へ帰るだけの日だけども行かねばならぬ場所がある。そこに山があるならば登らないとダメなのだ(ロープェイで)。ここ数年のライフワークとなっている“足で登らない山登り”の話をすると、新潟の誰もが僕に薦めてきたのが弥彦山という山でした。新潟県の西蒲原郡弥彦村と長岡市との境界にある標高は634mの山、「東京スカイツリーと同じ高さですよ!」というのがみんなの決め台詞だった。「でもスカイツリーは450mまでしか登れないでしょ?」と胸を張るのです。



ものすごく大きな鳥居(最近まで日本一の大きさだったそう)の向こうにそびえる山が弥彦山、ここで僕がこぼしたのは「おいおい、スカイツリーってでかいんだなああ!」という逆説的な感想。紅葉が始まったばかりの山々はとてもきれい。天気もいいし、この旅はホントに“インディアン・サマー旅”になった。麓の彌彦神社へ。月曜日なのに観光客がたくさんで賑わっていました。

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わくわくしながらまずはバスに乗り込みロープウェイの駅まで。歩くと10数分というところかな、「それくらい歩けよ」という距離でしたが“足で歩いてはいけない/登ってはいけない”という頑ななルールがあるのだから仕方がない。たどり着いたのはとても良い感じに年季の入ったロープウェイ乗り場でした。

やまひこ号とうみひこ号の2台でシャトルしているロープウェイ、ちょうど中間ですれ違う。僕が乗り込むのはやまひこ号。山麓駅と山頂駅の約1,000メートルを5分で結ぶ。この5分はロープウェイ的には結構たっぷりな時間。空は青く、木々は緑と黄、そして赤。そして僕は全然歩いてないから元気でピンピンしているのだ。

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そしてたどり着いた山頂から見えるのは日本海!そして彼方には佐渡島。さっきまで稲穂揺らめく黄金の田園風景だったのがいきなり青の世界に。僕は思わず海の方向へ駆け出してしまっていました。もともと弥彦山は銅山だったそうで、採掘で崖になって勾配も急。オペラグラスで覗くとキラキラ乱反射する陽光とたゆたう船が見えました。写真では伝わらないな、もどかしい。


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この弥彦山がすごいところはアトラクションが登り降りのロープウェイだけではないところ。そこにはパノラマタワーと呼ばれる、360度回転昇降展望塔がそびえ立っている。昭和30年代からどれだけの人を楽しませてきただろうこのタワーに乗るためには一度クライミングカーというリフトに乗って崖をおりなければならない。とにかく乗り物好きにはたまらないのだ。嬌声をあげながら切符を買いクライミングカーで崖を降り、そしていよいよモダンなパノラマタワーに乗り込む。

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静かにぐるぐると回りながら600メートルのてっぺんまで昇っていくタワーから見える海、そしてさっき登ってきた弥彦山越しに見える新潟の平野地帯。発するべき言葉もなく「わああ」とか「ひー」とか「ううお〜」という感嘆符付きの声ばかり。この時点ですでにここ数年の僕が“足で登らない山登り”で制覇した山のなかで暫定1位となりました、弥彦山。

この景色を昭和30年代にも同じようにみんながキャアキャア言いながら眺めていたのかと思うと時間の連なりに思いを馳せる。これはいつの時代でもどんな世代にとっても心がパッと晴れるような風景だろうな。パノラマタワーはまたぐるぐると回転しながら降りていき、僕はまたクライミングカーでロープウェイ駅のある山頂まで戻りました。降ってるのと晴れてるのではまったく楽しみが違うはず。晴れていてよかった。

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お昼前に登って、3〜40分くらい深呼吸して下山し、昼ご飯を食べて東京に戻ろうという予定が、この弥彦山だけで数時間を過ごしてしまうということになるほど、この山の磁場は僕を引き止めた。有数のパワースポットだということでそういう作用もあったのかもしれません。うみひこ号で麓まで。木々は少しオレンジがかった光のなかで静かに衣擦れのような音を鳴らしていました。

すっかり風景に魅了されて、ここまで来たなら海をもっと近くで見てから帰ろうと道を東京とは反対側に進む。誰かがTwitterで「寺泊でランチを食べるといいですよ」と教えてくれたのを思い出して向かった寺泊、「てらどまり」と読む。そこは港町、紅葉真っ盛りか!と目を凝らすとそれは燃えるようなカニ、蟹、かに、の看板。郷に入っては郷に従え、遅めの昼ご飯はカニ丼。美味しいくてうなだれてしまう。

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すっかり夕刻の日差しになった寺泊の海まで歩いてみると、日暮れにはまだ早いが光の色、白い砂浜の色、海の色がせめぎ合う魔法のような風景。波は静かで砂を踏む音が耳に心地良い。新潟に来れて本当によかったです。素晴らしい風景をたくさん見ることができました。地元の方たちからの情報はすごいな。なにも知らない僕をいろんなところに連れていってくれたのは皆さんです。

東京まで4時間かけて帰りましたが、夕方の川の流れの淡い色も日が暮れたのに月明かりが明るいせいで並走した山の稜線も、なにもかもを僕はしっかり記憶していて、これはいつの日にか音楽になるかもしれません。新潟、ありがとう。また必ず来ますからね。忘れられない秋の3日間になりました。“声をあつめにいくツアー新潟編”、これにて終了。季節はもう今、クリスマスまであと少し。

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Posted by monolog at 18:11│Comments(0)TrackBack(0)

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