2013年02月10日

Peter Buck solo album



手に入れるのに3ヶ月を要したR.E.M.のギタリスト、ピーター・バックのソロアルバムが外国からの汚れた段ボールに包まれてうちのポストに昨日突き刺さっていた。オレゴン州にある小さなレーベルからアナログ盤オンリーでの、ダウンロード販売もないリリースだったので11月のリリースからようやく聴くことができたのだけど「どうなのよ(楽しませてくれるの?)」という僕の期待をスカッと撃ちぬいてくれるような小気味いいレコードだった。

2011年は春まだき3月に大地震に揺さぶられて人生のなかでも忘れられない記憶が刻まれたが、同じ年の9月にR.E.M.が解散するという青天の霹靂があってこれからどれだけ経ってもあの朝寝ぼけてiPhoneで眺めた画面を忘れることはないのだろうな、と思う。僕は高校受験も大学受験も20代のつらい季節も30代の春夏秋冬もR.E.M.に救われて、R.E.M.に色を塗ってもらっていたのだ。

マイク・ミルズ、スコット・マッコーイー、ビル・リーフリンに加えてパティ・スミス・グループのレニー・ケイ、スリーター・キニーのコリン・タッカー、ディセンバリスツの鍵盤奏者ジェニー・コンリーなどが参加していて、そのサウンドはR.E.M.のそれである。最初に聴いたときにはマイケル・スタイプの不在を強く感じたが何回もレコードを表裏とひっくり返して聴いているとそこにセンチメンタリズムはなくなった。マイケル・スタイプは自分の声を吹き込めなくて悔しかったんじゃないかな。

「Some Kind of Velvet Sunday Morning」という、タイトルも素晴らしい歌がとても美しくて、「L.V.M.F.」という歌は僕が出囃子でよく使うミレニアムの「Prelude」をサンプリングした妙ちくりんなトラックだった。紛うことなきクラシックR.E.M.サウンドに真夜中にふるふると心が震えるのがわかりました。ちょうどまるまる一日「月あかりのナイトスイミング」という曲の録音と対峙した夜だったので、なおさら。

Posted by monolog at 04:08│Comments(0)TrackBack(0)

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