2013年02月17日

Song of the Week vol.5 “I'm Going Down”

終りなき旅のようなレコーディング作業のなかで好きな歌をフンフンと鼻歌で歌って調子を整える時間が自分にとっての楽しみに。第5回目の“Song of the Week”で取り上げるのもそうやってフンフン歌うのに持ってこいのブルース・スプリングスティーン、1984年に発売された大ヒット作『BORN IN THE USA』に収録されている歌。歌詞を読んでもらえばわかるように「アメリカ青年の色恋沙汰/恋の悩み」についてのブルーズを歌う。ステージでもベストアルバムにも取り上げられる機会の少ない曲だけど僕は大好きなこの歌を声出しがてらいつも歌うのです。

Martinのアコギでの弾き語り、歌とギター、そこにハーモニーをダビングして、連日新アルバムのトラックダウンに力を注いでいただいている freewheel 手塚雅夫氏にミックスしていただきました。






"I'm Goin' Down"

We sit in the car outside your house
I can feel the heat coming 'round
I go to put my arm around you
And you give me a look like I'm way out of bounds
Well you let out one of your bored sighs
Well lately when I look into your eyes

I'm going down, down, down, down

We get dressed up and we go out, baby, for the night
We come home early burning, burning in some fire fight
I'm sick and tired of you setting me up
Setting me up just to knock-a knock-a knock-a me down

I'm going down, down, down, down

I pull you close but when we kiss I can feel a doubt
I remember back when we started
My kisses used to turn you inside out
I used to drive you to work in the morning
Friday night I'd drive you all around
You used to love to drive me wild
But lately girl you get your kicks from just driving me down



"I'm Goin' Down"

君の家の外に停めた車のなかでふたり座って
熱いものを感じているのさ
君の肩に腕をまわそうとしたら
まるで「あんたは範疇外よ」みたいな視線を投げる
最近君の目を覗きこむと決まって
退屈そうにため息をつくんだ

落ち込んでしまうよ・・・

おしゃれして夜の街へ出かけても 
銃撃戦みたいな喧嘩をして すぐ家に帰ってくるのさ
君のそのやり方にはうんざりするよ
ただ僕のことを打ちのめそうとするそのやり方

落ち込んじゃうよ・・・

君を引き寄せてもキスするときに疑ってしまう
付き合い始めた頃のことを思い出すよ
僕のキスは君を夢中にさせたはず
朝は仕事に車で送っていったし
金曜日の夜はドライブと決まっていた
君は僕が興奮することが好きだったけど
この頃は僕を落ち込ませることを楽しんでいるんだ

(訳 山田稔明)



この歌も前回のU2「WITH OR WTHOUT YOU」同様に4つのコードの繰り返しだけで演奏されます。シンプルの極み。歌詞は情けない男の愚痴。ブルース本人はあまりライブでも披露されないこの歌のことを「忘れられたマスターピース、おそらく自分が書いた歌のなかで最も男女について洞察した曲」と冗談のように語っているようだけれども、きっとライブでこの歌が鳴らされたら僕は嬉しくてニコニコしてしまうだろう。

恋愛に伴う気持ちの変化と翻弄という誰もが(男だけ?)経験する物語を軽快な8ビートに乗せたテーマソングとしてエバーグリーンな魅力を放つ佳曲、ヴァンパイア・ウィークエンドのカバーしたバージョンも可愛らしくて良いのです。『BORN IN THE USA』というアルバムはたまに聴くとものすごく僕を元気にさせる。多分中学生の当時に聴いていたよりも今のほうがフレッシュなのだ、僕にとっては。
Posted by monolog at 00:40│Comments(0)TrackBack(0)

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