2013年04月16日

スプリング・タイムのオータム・ディフェンス



昨日のこと、朝からジェームズ・ブレイク、ヴァンパイア・ウィークエンド、ダイナソーJr.にレッド・ホット・チリ・ペッパーズと、砂漠の町コーチェラから届くウェブキャストでのライブを眺めながら(前日のポスタル・サーヴィスも素晴らしかったな…)ひたすら事務仕事。制作クレジットをまとめたり新譜にまつわるJASRACへの申請など、何回やってもその都度やり方を忘れてしまい手こずる。

夕方から出かけて下北沢へ。WILCOのベーシストJohn Stirratt(ジョン)とマルチインストゥルメンタリストPat Sansone(パット)がやっているThe Autumn Defenceのライブが小規模なライブバーで観れるというまたとない機会。キャンセル待ちをしてようやく手に入れたチケット、ぎゅうぎゅうの店内で運良くステージ真横の砂かぶり席的なグッド・シチュエーションを得る。手を伸ばせば届く距離。

The Autumn DefenceはパットがWILCOに加入する以前の1999年頃から断続的に続くサイドプロジェクトで、普段はWILCOでボトムを支えるジョン(アンクル・テュペロ以降WILCO結成からジェフとともに活動する)と鍵盤、ギター、パーカッションと楽器を持ち替えてWILCOサウンドを演出する(ときにピート・タウンゼントばりのウィンドミル奏法でお客さんを煽るイケメン担当)パットの、どこか'70年代の香りもするメロウな音楽。

ふたりだけのシンプルな編成、ピアノ、ギターとベースで奏でられる歌はとてもシンプルで、しかし他になにもいらないような豊かなアンサンブル。ふたりのシンガーソングライターが楽器と声を重ね、真っ直ぐで明快な歌詞が歌われる。彼らが座る椅子の軋みまで聞こえてくる至近距離で、最高の歌を聴いた。ボブ・ウェルチ「センチメンタル・レディ」のカバーとアンコールで歌いあげられたWILCOデビュー作からの「It's Just That Simple」が個人的ハイライト。終演後には先日のライブとふたりの演奏がどれほど素晴らしかったかを伝え、サインと握手。この日のステージを目撃できたことを幸せだと思う。

家に帰ってステレオで鳴らしたThe Autumn DefenceのCDはそれまでと全然違うように響いた。目の前で生の音に触れたことにより浸透圧の値が変化したのかどんどん心に入り込んでくるように感じる。かくもライブとは目からウロコの素晴らしい体験なのだな。僕もよく「ライブのほうがCDよりグッときますね」と、褒められているのかどうなのか「ん?」ということを言われることがあるが、どっちが良いではなくてどっちも体験してこその発見がある、はず。僕はこの夜を境にThe Autumn Defenceの本質にぐっと近づいた気がしたし、WILCOの凄みにも改めてため息をついた。朝から夜まで素晴らしいライブを眺めて「僕ら音楽に愛されてる」と思った一日。先週から続いたライブ週間の大団円。

Posted by monolog at 08:12│Comments(0)TrackBack(0)

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