2013年05月15日

5月11日(土)愛知県蒲郡 “森、道、市場 2013”(DAY1)

“THE BANDWAGON”ツアーと題して土曜日から帰京する月曜日までの3日間。MCでも言いましたが本当ならレコ発ツアーになるべくして企画された旅でした。今から10年前に「この雨がやんだら新しい季節が傘のない二人に虹をかけてくれるかな」という歌を描きましたが、まさにこの旅は新しい季節の始まりにふさわしい、とても充実したものとなりました。一日ずつ振り返って行きたいと思います。

5月11日、5時半起きで旅支度。同じ町内会のイトケンさんを7時にピックアップ、続いて安宅くんの機材を積んで、五十嵐くんとえびちゃんを駒沢大学駅で拾うころには8人乗りのゆとりさえ感じられたワゴンは楽器と荷物でぎゅうぎゅうになりました。これから3日間のわれわれの足となる深い青色の車はヘブライ語の“動き”を表す名前、象徴的。予定通りのオンタイムで8時半から高速に乗り順調な滑り出しだが東京の空もどんどん暗くなっていき雨粒も落ちてきた。第二東名のきれいなサービスエリアに滑りこむ頃には雨足は強まり、Twitterでも楽観的なつぶやきは見られなくなってきました…。



音羽蒲郡で高速を降りて会場である三ヶ根山へ。雨、としかいいようのない天気である。しかし会場が見えてくると色とりどりのレインコートの人々が見えて元気が出る。こうなったら雨ごと楽しむまでだ。楽屋へ通されてとても美味しい、おしゃれな“GAKUYAMESHI”をいただく。横のステージでは在日ファンクのサウンドチェックが始まる。われわれは雨ガッパや撥水のパーカーに身を包み、演奏する“うたたね広場”へ移動、演奏するステージの上には屋根があるのでずぶ濡れになることはないが湿度100%のなか楽器を広げる。

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タイムスケジュールに余裕があったのでじゅうぶんな時間をかけて確認と準備ができたが雨はまったく止むことはない。風がないので寒くはなかったが、お客さんたちはきっと冷えた身体を抱えていたことだろう。あじさい広場から移動してきたお客さんが増えてきて16時半に山田稔明と夜の科学オーケストラの演奏スタート。「glenville」のゆったりした弾き語りから始まって「SING A SONG」まで一瞬一瞬が忘れがたく、ステージの屋根から目の前に糸をつたって降りてきたケムシとその向こうで雨を延々と降らせる灰色の空を、そして花畑のように色とりどりのレインコートを眺めながら歌いました。終演後の物販でたくさん交わした冷たい濡れた皆さんの手との握手を忘れることはないでしょう。

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とても素晴らしいフェスだ、と各方面から聞いていた「森、道、市場」ですが、スタッフの皆さんのホスピタリティと出展のお店のクオリティ、そしてなによりお客さんたちのすべてのシチュエーションを楽しむ姿勢が印象的でした。特にmado cafeさんには今回とてもお世話になった。また7月に愛知でのライブを予定しています。先を急ぐ僕らはZAZEN BOYSのステージに後ろ髪を引かれながら次の街へ。

伊勢湾岸自動車道でふと気づくと雨はやんでいて、進行方向の空は真紅の夕暮れ。寝ていたメンバーも起きだして「すごいね」と見入るほど。10数分ほどのマジックアワーだっただろうか、世界の終わりみたいな空。そのとき偶然R.E.M.の「Half the World Away」という歌がカーステレオから。「これは僕が今まで見たなかで一番哀しい夕焼けだ」と歌われる曲。僕はひとりふるふると感動していた。そこにイトケンさんの「地震雲っぽいよね」という言葉。



日が暮れて京都に着いたのは20時半、この日泊まる宿は100年以上前の町家を改造した宿(僕の部屋は幕末の隠れ家みたいで、坂本龍馬の気分に)。共同のお風呂しかついてなかったのでみんなで近くの温泉へ行って昼間の雨を洗い流す。このメンバーでの旅も初めてならみんなで湯船につかるのも稀有な機会。パウダールームではみな歳相応の話題に。軽くビールで乾杯しおしゃべりを夜中まで。歩いて帰ろう、と湯冷めするくらいの距離をみんなでヨタヨタと京都の遊郭街だった通りを往く。長い一日の終わり。

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Posted by monolog at 09:52│Comments(0)TrackBack(0)

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