
僕は2010年に書いてたびたびステージでも演奏してきた「夢のなかの音楽」をニューアルバム『新しい青の時代』のためにレコーディングしていましたが、「夢のなかの音楽」は作品のトータリティーを尊重する前向きな理由により選からもれました(同じ理由で“ボツ”ではなく選外になった歌が数曲あります)。僕は自分が歌いたいことをきゅっとまとめるのが昔から苦手でだいたい4分後半から6分弱の歌を書く傾向があり、しかしこの「夢のなかの音楽」は3分半ちょっとのカラッとしたポップスになってとても気に入っていたのでこのコンピレーションに収録されることになって嬉しいです。
すべての楽器を僕自身で演奏し、『新しい青の時代』の全曲のミックスを手がけたfreewheel手塚雅夫さんに魔法をかけてまとめていただきました(最後の最後に手塚さんの提案でスティールパンの音を足しました)。いろんな意味で『新しい青の時代』と地続きな歌です。曲中に「猫」という言葉が一回出てくるだけの歌ですが猫コンピのための選曲で一番に頭に浮かんだ曲です。「耳の奥で鳴り響く声の大きな誰かのセオリー/僕がずっと望むのは始まりも終わりもないメロディ」とか「僕も君ももっとしたたかに歳をとってゆくのだろう」とかどの行にも好きなフレーズが詰まっています。ぜひ聴いてみてください。
ジャケットの写真を提供してくれたのはミルキク.net のmikさん。紙ジャケット仕様の手触りを大切にしたCDにするということでアートワークの相談を受けたときに僕が迷わず一番に提案したのがミルとキクでした。いつもライブに来てくれるmikさんはCDジャケットの写真を担当するのは初めてだそうで、うちのポチよりこのコら可愛いのでは…とさえ思うときがあるミルとキクのキレイな姿に(わ、“見る”と“聴く”だ!)たくさんの手が伸びることになるのでしょう。個人的にはGTH時代の作品のプロデュースでとてもお世話になって今でもよくしていただいている杉真理さん、村田和人さんと同じCDに収録されることが光栄です。若輩者としてオープニングを務めさせていただきました。皆さん9月の発売をお楽しみに。
猫と音楽の蜜月/Various Artsits
VSCD-1746(FRCD-032)
発売日:2013年9月25日/2,500円(税込)