2013年09月18日

発信と受信



昨日のこと、朝いつものようにラジオでバラカンモーニングを聴いていたらシド・ストローという女性シンガーソングライターの歌が流れた。「Hard Times」という曲、19世紀にアメリカの作曲家フォスターが書いた民謡である(フォスターといえば「おおスザンナ」「草競馬」「ケンタッキーの我が家」など多くの農園歌、黒人歌などを作ったアメリカ音楽の父、である)。実は先週武蔵小山アゲインでのライブが終わった後にアゲイン店主の石川さんが熱っぽく「山田くん、フォスターちゃんと聴いたことある?絶対に君はフォスターを気に入るよ!」とCD3枚と伝記を一冊お借りしたところで、自分のなかのフォスター熱が高まっているときだったので聴き入ってしまった。調べたところその「Hard Times」が入っているアルバムにはR.E.M.のマイケル・スタイプとの共作デュエット曲が収録されているとのことで、レコードハンティングメモに早速新しい1枚が加わる。

昼から出かけて九品仏へ。ここはとても気のいい場所。いつもお世話になっている長門芳郎さんと土橋一夫さんの「ようこそ夢街名曲堂へ」の収録、『猫と音楽の蜜月』特集と「動物ソング」特集の2本録り。前の晩に「動物ソング」特集の選曲をしていて、動物が登場する歌がたくさんあるものだなと夜中に一人つぶやいた。イヌの鳴き声が印象的なJane's Addiction「Been Caught Stealing」が一番最初に浮かんだが、万引きってなんてスリリング!っていう内容の歌なので落選、スティーブ・ミラー・バンドの「Fly Like an Eagle」はCDが見つからず、ニール・ヤングの「Birds」については「トリってジャンルとしてざっくりしすぎやん」…という感じでいろいろ考えて選曲したものをオンエアでお楽しみください。

収録で聴かせてもらったノーマ・タネガという'60年代の女性シンガーの「Walking the Cat named Dog」という曲、“イヌと名づけた猫を散歩させる”という歌がとてもかっこよくて印象に残った。ポチという名前のうちの猫のテーマソングみたいに響いた。キレイな夕暮れの帰り道で渋谷に寄ってレコード屋さんを3軒はしごして、ノーマ・タネガは見つからなかったが朝聴いたシド・ストローのアルバム、1989年の『SURPRISE』を買って帰った。ワンコインくらいの値段でホコリをかぶっていた24年前の作品でも時と場合によって心をぱっとさせるような輝きを放つことがあるのだから、ラジオや文章などで発信される情報というのはとても貴重でかけがえのないものだな、と思った一日でした。音楽でも本でも映画でも、ひっそり取り残された街でも、なんでもそう。

Posted by monolog at 09:42│Comments(0)TrackBack(0)

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