2013年10月29日

ハックルベリーフィンの新しい冒険



昨日のこと。ルー・リードの訃報、R.E.M.ファンの僕にはグランドファーザーのようなロックの伝説でした。お昼からクリスマスソングのレコーディングをずっと。今年は2曲、クリスマスCDをライブ会場と通販でご購入いただいた方の特典としてお贈りするささやかな歌たち。まさに“心に灯をつけるような”感じになりました。自分の声を5つ6つと重ねながら、付帯する倍音に気持ちよくなりながらの作業でした。『Christmas Songs』を今年最初に発売するのは下北沢leteでのライブになります。完売してからもたくさんキャンセル待ちのお申込みをいただいていますが、んー、もう難しいかなーという状況。11月も12月もたくさんライブやりますので何卒よろしくお願いします。

夜になって高円寺まで出かけてハックルベリー・フィンのライブを観ました。メンバーのみんなとはちょくちょく顔を合わせていて、ボーカルさくちゃんとは飲みにいったりベースのたけ兄にはギターのメンテナンスでお世話になることも多いのだけど、ライブを観るのはほんとに久しぶりで、以前彼らと対バンした下北沢Queはいつだっただろうかと調べてみたら、2011年9月だった。R.E.M.が解散発表した直後のことなので僕はステージで「Nightswimming」を歌っている。で、そのときも思ったんだけどハックルはバンドアンサンブルが完璧だ(イトケンさんが「このバンドすげー好き」と褒め称えていたのも印象的でした)。それは2年経って新しいアルバムを作り上げて(この日は即興的な“アコースティック”ライブだったけれども)その音は確固たるものになっていました。

CDを一枚作るというのは本当に大変な作業だ。若い頃はビギナーズラックみたいな感じで、いろんな大人に助けられたり持ち上げられたりして年に何枚もリリースするのが当たり前だと思ってしまったりするのだけど、若くなくなると途端に枠の外に放り出されて途方に暮れるところから長い道のりが始まる。ハックルは今月7年ぶりのアルバム『cairn』をリリース。それがきちんと成熟した彼らと等身大のアルバムになっていて聴いていて嬉しく、この感覚はイノトモちゃんの新譜を受け取ったときにも似たものでした。自分でレーベルを立ち上げるというのはミュージシャンにとっては最後の砦を築くことで、彼らの門出を祝福したい気持ちでいっぱいです。

昨日のライブの後の、ユーストリーム番組での公開インタビューも観覧したのだけど、幼なじみと兄弟で組んだバンドならではの面白い逸話も多く、'90年代のリスナー環境においてUKの音楽にリアルタイムではハマらなかったという自分と共通する点を知り、常々感じていたシンパシーの一端を見たような気もしました。彼らも今週から全国を回る長い旅に出るそうなのでぜひ生のサウンドを体験してみてください。楽しい夜は終わり、さくちゃんと猫と芝生の話をしながら中央線で同じ方向に帰りました。

Posted by monolog at 10:24│Comments(0)TrackBack(0)

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