2013年11月06日

“brand new blue” tour 2013(DAY28:11月3日 高知 蛸蔵)



庄野家で少し二日酔い気味で目を覚まし、美味しい朝食をいただく(すだちが添えてあって頭がスッキリした)。高知までは2時間の道のり。四国の地図を想像してもらいたい。徳島から高知まで海をそってぐるーっと走ったらずっといい景色なのでは!と思われるかもしれないが(僕も最初はそう思っていた)信じられないくらいの時間がかかるのでそれはムリ。吉野川に沿って山のなかをトンネルをくぐっていく旅となる。これで曇天で時折雨が降るとなると相当退屈な道程なのだけど、ジェームズ・イハの歌が僕にいろんなことを考えさせて、個人的には有意義な時間を過ごすことになりました。

途中、吉野川ハイウェイオアシスに立ち寄るとそこは美濃田の淵という奇岩の絶景。雄大な吉野川の流れを見つめる。かつて地域住民の願いだった吉野川に架かる橋の、その志が途中で頓挫した夢の跡。耳を澄ますと川の流れと時折聞こえる鳶の声しか響かない数分間が永遠の時間のように思えました。四国に来るといつも感じるのは「神様の管轄が切り替わった」という感覚。ぼけぼけ過ごしていたら実は入り時間ギリギリだということに気づいて高知までの道を急ぎました。高知ではHARCOと園部信教さんとの共演。僕がふたりのライブにゲスト参加するかたちに。



辿り着いた高知は今にも泣き出しそうな空。会場の蛸蔵はアートゾーン藁工倉庫というスペースにある、古い藁倉庫をリノベーションしたホール。ミュージアムや土佐バルというバーも併設する。前回の高知はterzo tempoでのライブだったが、ここも訪れたかった場所。会場に入るとHARCOたちがアップライトピアノを運んでいた。音の響く素晴らしい空間。ポーンとピアノを鳴らした瞬間に今日も特別な日になると確信。園部さんも繊細な歌を歌うシンガーソングライター、HARCOも力強くてユニークな演奏。セッションの練習をしているうちに日は暮れて開場となりました。

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僕はトップバッターで『新しい青の時代』を中心に。僕のことを初めて知る人、初めて観る人がたくさんいたのだろう。MCに熱心に耳を傾けてくれて笑ったり頷いたり、とてもいいお客さんたちだった。「月あかりのナイトスイミング」ではHARCOにピアノを弾いてもらった。音源と譜面のやりとりだけでのぶっつけ本番だったけど、なんというか、とても良かった。10数年来の友人ミュージシャンであるHARCOだが、これだけ彼のピアノに身を委ねて歌ったのは多分初めてで、佐々木真里さんのプレイとも違う無骨で男性的なタッチだと感じました。最後は「日向の猫」を会場の皆さんに歌ってもらった。知らない曲でも「ラララ」と簡単なメロディを歌うだけで空間がひとつになるから音楽は素敵な。最後は僕が3度上のメロディを歌ってきれいなハーモニーに。



園部さんの歌にも聴き入った。遠い記憶をくすぐるような歌だった。HARCOは新曲がとても良くて今月後半の新潟と金沢の共演がますます楽しみになりました。HARCOのステージが終わったらセッションタイムとなり、譜面のやりとりをしておいたHARCOの新曲に僕がギターを弾いてコーラスを添えました。これもいい歌。新潟の燕市と新発田市、そして石川金沢でもこの歌が演奏できたらいいなと思う。最後は3人ではっぴいえんどのカバー「風をあつめて」をしっとりと。最後の「蒼空を〜」のリフレインが終わったときには寂しささえ感じました。

偶然高知にNAOTキャラバンに来ていた奈良は風の栖の宮川おかあさんも来てくれて、旅先で知り合いに会うとほんとに嬉しい。洋服屋RUSKさんとも再会。遠くから近くからご来場のお客さん、たくさんのCDを買っていただいて感謝。雨のなかご来場ありがとうございました。また高知でライブがやりたいです。終演後は美味しいカツオを愛でながら、僕はビールを、HARCOは日本酒を、車で来た地元組はノンアルコールビールで楽しいおしゃべりを。HARCOのおかげで高知に来れてよかった。心強いサポートをいただいたスタッフの皆さん、何から何まで面倒見てくれたterzo tempo佐野夫妻にも感謝。

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Posted by monolog at 15:08│Comments(0)TrackBack(0)

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