2014年02月27日

松山探訪/Glen Phillips LIVE @ bar TAXI



2月24日月曜日の夜10時に小倉港を出た船が松山観光港に到着したのは朝の5時。こんなに早く陸に放り出されても…と思っていたら船の中に7時まで待機できるとのことで、僕はゆっくり身支度をして6時半ころに上陸。歩いて10分の伊予鉄高浜線、高浜駅まで夜明けの海沿いを歩く。愛媛は父親の故郷なので子どもの頃によく来ていたのだけど新居浜とか土居の記憶はあるのに松山を観光した記憶はない。ほぼ初めての松山ひとり旅である。

海沿いを走る電車はだんだん街へ。通勤通学の時間になり僕は街の暮らしの一部に溶け込もうとする。松山市駅で降りて路面電車の一日券を購入、ホテルに荷物を預かってもらい解き放たれた鳥のような気分。朝6時からやっているという道後温泉にまずは向かいます。わー、なになにこの街の雰囲気!とどんどん楽しくなっていく。道後温泉本館は歴史的な景観。平日の朝で観光客も少なく、まずは温泉に入って船旅の疲れを流しました。畳の広間でお茶とお菓子をいただく。夏目漱石が名作「坊っちゃん」のなかで「3階では茶を飲みお菓子を食わせてもらえる」と書いた、その風景を追体験。

次に向かうのは松山城。今回の旅にあたって愛媛出身の高橋久美子ちゃんの徹底的なお薦めスポット指南メールに本当に救われた。なんとリフトとロープウェイのどちらもある麓駅から松山城までは小さな山登り。春の陽気のなか往路はまずリフトで、足をぶらぶらさせながら。世界遺産である姫路城を観たばかりだったが松山城も素晴らしいお城だった。なにより天守閣から見下ろす街並み。こんなところに住んだら…と妄想したりして。帰りは迷わずロープウェイ、この時点でまだ朝10時くらい。




次に向かうのは歴史的建造物である萬翠荘。ここが個人的には一番気持ちのいい場所でした。西洋建築の洋館、松山と日本の歴史に重要な役割を果たした空間。謁見の間、晩餐の間、応接室とどの部屋もため息が出るような光と影の風景。高橋久美子ちゃんはここで2011年にこの場所で「ヒトノユメ」展を開催したのだけど観てみたかったな。かったな。また僕は「ここに住んだとしたならば」と妄想。昼食も久美子ちゃんが推す喫茶店でフルーツサンド、そしてホテルに一度チェックイン、そのままバタっと倒れこむように小一時間爆睡してしまいました。



そしてムクッと起き上がり、路面電車に乗って松山駅方向へ。モアミュージックという広いレコード屋さんで気が済むまでレコードハンティング。手付かずの宝の山にショベルを持って出かけていってそのままミイラ取りがミイラになってしまうような男が、僕。知らない街をiPhoneの地図を頼りに歩くのは心細く寂しく、しかし楽しい。この日僕が松山へ来たのはToad the Wet SprocketのボーカリストGlen Phillipsのライブを観るためだ。音楽を欲する心が僕をこの街に連れてきた。

夜になってライブが行われるbar TAXIへと向かう。松山は日本一バーが多い街だそうで、雑居ビルにはたくさんのネオンや看板が揺れる。お店は2,30人入ると満員になりそうなスペース。手が届くような席から25年聴き続けているシンガーの歌を味わえる喜び。お客さんもたくさん、グレンのライブが始まりました。2曲目にToadの「Walk on the Ocean」、そらで歌える大好きな歌。ギターと歌のシンプルなサウンドだけど、彼のギターはベースとリズムとメロディのすべてを兼ね備えているので物足りなさを感じない。一緒に来ていた12歳になる娘のフレイアちゃんとのセッションも微笑ましかった。

休憩を挟んで2時間少しのステージ、ジェイムス・ブレイクのカバーという意表を突くセレクトも良かったが、ポール・サイモンの「American Tune」を歌い始めたときには息が止まるかと思った。Toadの新曲はもちろん、「ALL I WANT」「FALL DOWN」など思春期に熱中した音楽はこんなに気持ちをハッとさせるものか。終演後にグレンにサインをしてもらうときに『新しい青の時代』を渡しました。すると彼は「Oh!君はGOMESの!」と昔渡したCDのことも憶えていてくれてとても嬉しかった。彼に「こないだToadのカバーを歌ったんです」とiPhoneで徳永憲くんと一緒にやった「Way Away」を観てもらう。ワオ!とにこにこしながら。フレイアちゃんからは「素敵な声!」と言われたので「You too!」とお返し。夢のようなひとときでした。あー、幸せだったな。松山まで来て正解だったなあ。



音楽のある暮らしが僕をどこかへ連れていったり誰かを僕の前に連れてきたり、衣食住に音楽がなくてもなんとか生きていけるのかもしれないけれど、僕にとってはなくてはならないものだなあと実感した福岡、そして松山への旅。興奮冷めやらぬまま翌朝早起きして坂の上の雲ミュージアムに行ったりさらなる街歩きをしたりして最後まで松山を満喫、最後に立ち寄ったスターバックスコーヒーでは店員さんに「山田さんですよね?ずっとファンです。ぜひ松山でライブしてください!」と声をかけられるという奇跡で長い旅は幕を閉じたのでした。これはまた近い未来にここへ戻ってこなくてはいけないということだな。松山、大好きな街になりました。






Posted by monolog at 15:10│Comments(0)TrackBack(0)

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