





もう1週間前の話。2月から始まった“retrospective15+5”ツアーは再び西へ。三連休の始まりで道路は渋滞、しかし富士山が様々な顔を見せてくれるので楽しいドライブができました。この日は東京では大瀧詠一さんのお別れ会があったのだけど、そんなタイミングで“空飛ぶクジラ”を車窓から見つけて彼の地を思いました。約1時間遅れで到着した、お蕎麦屋さんnaruでのライブ以来2年ぶりの浜松。エスケリータのことは友だちミュージシャンからいろいろ聞いていたのだけど、聞きしに勝る面白い特異キャラの後藤店長。疲れも吹き飛ぶ楽しい気分に。僕がリハでフィッシュマンズを一節歌ったら後藤さんがいきなりダブミックスを始めて盛り上がったので本番でも歌うことに。


とても親密な空間でのライブは「どこへ向かうか」からスタート、「思うことはいつも」はバックトラックを伴って。盛り上がったところでなんだか妙な音がして「わ!もう後藤店長ダブミックスやってる?」と思ったらなんとベーグルが焼け焦げてしまって火災探知機が鳴るというハプニング!これをきっかけにリラックスした雰囲気は充満して(煙も!)、それ以降とても伸び伸びと歌うことができた。「言葉はうそつき」はエレキギターでジャキっと演奏。久しぶりに歌う歌は自分の成長と変わらない根幹とを明確に浮かび上がらせて興味深い。
静岡出身アーティストのカバーを、とまず電気グルーヴ「虹」を。この歌は大学卒業後の映像制作会社勤務時代を思い出させるし「振り返る/くりかえす」の歌詞が“retrospective”と呼応する。そして同じく静岡出身の高野寛さんの「確かな光」、これは歌うほどに気持よくなる言葉とメロディの魔法のような歌。そしてフィッシュマンズ「頼りない天使」も声がすーっと伸びていく感じでした。MCでも言ったのですが、この日の歌は今年一番の歌でした。家で練習しているときに歌っているまんまの「こういうふうに歌いたい」という完璧な歌唱でした。


お客さんのなかになんと小中高時代の同級生の姿が。びっくりした。卒業式以来22年ぶりだ。初めて僕のライブを観たという人もいた。こういう出会いがあるから行ったことのない街、演奏したことのないお店は僕を誘うのだな。終演後はエスケリータ68のとびきり美味しいベーグルとオムライスをいただき、楽しいおしゃべりを。またここに来たいと思いました。浜松には泊まらず次の街名古屋まで夜のうちに移動するスケジュールだったので浜松の街を散策することができなかった(薦められていたレコード屋さんにも行けず)。またゆっくり街歩きをしたい。ご来場ありがとうございました。





