2014年04月10日

新しいブルーにこんがらがって



昨日のこと。2月の松山観光中に思い立ってチケットを取り、ずっと楽しみにしていたボブ・ディラン来日公演。思えば中2から何回なテキストとしてのディランを聴き続けて25年以上がたち、初めて観るナマの姿。ひと声目でぐっとこみ上げるものがありました。ピーター、ポール&マリー経由で出会ったボブ・ディラン、やはりいつも好きで聴くのは60年代から70年代中盤の名作群なのだけど、一昨年出た『Tempest』という最近作がとても今の自分にしっくりくる愛聴盤だったので新作中心のこの日のライブはとても楽しめた(もっと他にあるだろうに、披露されるべき曲が、とも思うが)。演奏も素晴らしく、歌もすごかった!ピアノを奔放に弾くディランの姿が酒場のピンボールで遊ぶおしゃれなおじさんに見えて愛らしく、センターマイクで歌うディランの後方にはつねにチャーリー・セクストンがいるので粋な子分を引き連れたマフィアのようにも見える。なんだかずっと映画を観ているような感じのライブだった。

去年『新しい青の時代』を出した後のツアーで僕は終演後に“BLUE”つながりでいつもディランの「It's All Over Now, Baby Blue」と「Tangled Up in Blue(ブルーにこんがらがって)」を流していたので、昨日最新型の「ブルーにこんがらがって」を聴けたことが嬉しかったな。オペラグラスを覗いたり、目を細めて暗いステージを凝視したり、人生で初めて体験するディランを2時間堪能しました。長生きしたり手を伸ばしたりいくばくかのお金を払ったりしたらとても素晴らしいものを観ることができるのだな、人生とは。客層も若い人からおじいさんまで隅から隅までびっしり入っていて、ディランその人の歴史を実感。今夜が東京で最後の公演になります。みうらじゅんさんをお見かけできたのも嬉しかった。ライブの最後は「How many roads must a man..」と始まる「風に吹かれて」だったのだけど、その、元のメロディをとっくの昔に忘れているのではないだろうかと思わせる新しいメロディを聴きながら「結局最後に残るのは言葉なのだろうかなあ(その答えは風のなか…)」ということを思いました。


ここ数日の間に最新作を中心に過去の名曲群を再生させるディランとヒックスヴィルの“RARITIES”ライブを観て思うところがあったので来週の吉祥寺スターパインズカフェと下北沢CLUB Queは最新曲をあわせてGTH楽曲のなかでもセットリストから外されがちな歌やささやかなメロディーを拾い集めて並べなおすようなライブにしたいと思います。ワンマンライブが続くなかでのイベント出演なので敬遠されがちかもしれませんが観にきてくれた人がびっくりしたり嬉しくなったりするような歌を歌いたいと思います。まず来週の吉祥寺、プラネタリウム公演以来のステージではママレイド・ラグ(佐賀)とカンバス(福岡)、森広隆さん(鹿児島)という九州繋がりの共演者と。ぜひお越しください。


4月14日(月)@ 吉祥寺 Star Pine's Cafe
“音編み”

出演:MAMALAID RAG、森広隆、カンバス、山田稔明
開場18:30/開演19:00
前売2800円/3300円(1drink別途)
*オフィシャルサイトRESERVEにて予約を受付けます

STAR PINE'S CAFE
〒180-0004武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
TEL:0422-23-2251

Posted by monolog at 09:56│Comments(0)TrackBack(0)

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