2014年06月14日

2014年のコナー・オバースト



Bright Eyesのレコードを初めて買ったのは2005年、『ripple』のジャケット撮影のために訪れたサンフランシスコのAmoeba Musicだった。それまで「エモ」とか「ローファイ」という先入観があったのだけど、当時2枚同時発売になったジャケットを店頭で見てなにか惹かれるものがあって『I'M WIDE AWAKE, IT'S MORNING』と『DIGITAL ASH IN A DIGITAL URN』の2枚を買って帰国したのです。で、そこから僕はずっとその2枚を繰り返し繰り返し聴くことになり、今でもレコード棚の取り出しやすいところにいつも置いてある。初めてのソロアルバムを作るときにはこのBright Eyesの2枚のイメージが常に頭にあって、生楽器メインの1枚と打ち込みメインの1枚を同時発売するつもりで2007年から制作を始めたのだけど、結局先に打ち込みメインの(Bright Eyesなら『DIGITAL ASH..』)『pilgrim』、そして生演奏でレイドバックした(『I'M WIDE AWAKE, IT'S MORNING』的な)『home sweet home』を2009年、2010年と続けてリリースすることになったのでした。

そして昨日、Bright Eyesこと、Conor Oberst(コナー・オバースト)のノンサッチからリリースされた新作アナログが届いた。サンフランシスコのアメーバでの出会いから数えて9年になるが、今作も素晴らしい。ボブ・ディランを継ぐ若者と目された彼のソロ名義のアルバムは自由で軽やかでありながら意味深。ポール・サイモン的な跳ねる感じも新鮮(前作での「ぼくのコダックローム」カバーはその前兆だった)歌詞を読みながらじっくり聴く時間を持ちたいと思う作品、今年のベストディスク候補。ダブルジャケットで重量盤LP2枚組、リリックシートと同内容のCDも封入されていてずっしり重い。これこそフィジカルなレコードを買う醍醐味、喜び。ライブがしばらくお休みのこの季節、日がな音楽と猫で手いっぱい。




Posted by monolog at 12:18│Comments(0)TrackBack(0)

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