2014年06月30日

センチメンタルな旅 初夏の旅



金曜日から昨日までの関西への旅、ライブ以外のことをメモ。びっくりするくらい安い大阪往復のチケットを獲得したので今回は成田からのフライト、しかし週末の朝の渋滞はとてもひどく「楽器なしで飛び乗る?」「乗れなかったらどうする?」と心せわしなかったがなんとか間に合った。以降すべての幸運をポチのおかげだと思うことにする。関空から京都までは「はるか」という電車で乗り換えなく快適。ここ最近うまく眠れず、移動中もずっと窓の外を眺めていたのだけど大阪というのは本当に大きな街だな。ホテルにチェックインしてしばし休憩してトーク&ライブ。もしも屋にはジャムという猫がいた。黒白で鼻筋が通っていて格好良い猫だったが触らせてはくれず。きれいな声で鳴いた。京都での夕飯はもしも屋で。とても居心地の良い店でまた来たいと思いました。紹介してくれた岡村詩野さんに感謝。

翌朝京都は降ったりやんだり。京都の朝はイノダコーヒに決まっている。この日は四条支店でエビピラフを。美味しいものを食べると元気がでる。しかしまだまだ元気足りないので、そういうときは買い物だ!とこれも京都に来ると必ず寄りたいモリカゲシャツで水玉のかわいいシャツを購入、嬉しい。斜向かいのお店に人だかりができていて覗くとフリーマーケットをやっていた。「ヌビ」という綿をいれながら縫っていくキルトのような肌触りの韓国布団を売っていて「これ絶対ポチが気にいるやつやろ」とお土産に。こうやって荷物が増えていく。新快速に乗って加古川へは1時間少しの旅。瀬戸内海と明石海峡大橋は灰色の風景。

加古川、チャッツワースについて食べさせてもらったのはライブでサーブされるランチセット。とても美味しかった。楽屋がわりの部屋にあったウクレレをポロポロ弾いていたら楽しくなって1曲ウクレレ伴奏で歌うことにしました。ライブ会場になった2階はとてもよい雰囲気に準備がなされていて気持ちのいい歌が歌えました。ポチが映ったDVDを持ってきていたのだけど壁一面に大映し。可愛かった。奇跡みたいな時間のライブの後は近くのセシルで打ち上げ。セシル店主シマダさんとのおしゃべりも久しぶりで楽しかったが、とにかくくたびれ果てて眠く、最後のほうは記憶が曖昧。

東京に帰る日は夜まで時間があったのだけどチャッツワース岸本さんが自宅へ招いてくれて、普段岸本家が食べている朝ご飯に混ぜてもらった。岸本さんの家にはポチと同じ15歳のチャオという猫がいて、僕は会うのが2回目だったけど撫でさせてくれて添い寝させてくれて、毛むくじゃらの猫の身体に触るのは1週間ぶりだったので少し心が柔らかくなったような気がした。岸本さんのレコードコレクションを眺めて話をしてゆっくり流れる時間がこの旅のなかのハイライトだったように思う。このタイミングで加古川に来れて本当によかった。

それから初めて明石の街へ。魚の棚という、海鮮市場を散策。そこで食べた明石焼きが絶品。こんなに食べられない!と思った一人前がぺろりと胃の中に。神戸へ移動してタワーレコードへ挨拶に。7月7日に全国発売になる『緑の時代』を応援してくれるお店、素敵女子バイヤーのスタッフを訪ねるとGOMES THE HITMANのときからファンだった、と嬉しい言葉。ポチの写真を使って立派な看板を作ってくださるそうなのでお近くの方はぜひ愛でにいってください。心強いサポートをしてくれた岸本ファミリーとお別れ、いつも愛情を受け取ってばかりでお返しできず申し訳ない。また来ます、加古川。

東京はひどい天気だったみたいだけど、帰り道の夜はいつもの東京でした。
この街はまるで光の葡萄みたいだな。いつもの台詞。


「センチメンタルな旅 春の旅」というタイトルの、2010年に他界した、写真家荒木経惟の愛猫チロの最後の数ヶ月を撮った80葉ほどのモノクロの写真集があります。900部限定の本なのでなかなか入手しにくい一冊なのだけど(「チロ愛死」というハードカバーのなかでそのなかの写真は見ることができます)、僕はこの本のなかでやせ細ってパサパサになっていくチロの生き切る姿を必死で目に焼き付けて、我が愛猫ポチのまだ未ぬ最期の床を想像したものでした。実際にはポチは最後までやせず毛艶もきれいなままで逝ってしまいましたが、この写真集は僕にとってとても大きな意味のある一冊です。今回ポチがいなくなって1週間後の、この60時間ほどの旅は何を見ても何を思っても僕にとっての“センチメンタルな旅”でした。まだまだこの旅は続きそうですが。

Posted by monolog at 09:55│Comments(0)TrackBack(0)

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