




先週末の旅の話。8日(金)早いところでは夏休みが始まるということもあり、朝5時に吉祥寺を出発しました。キーボード佐々木真里さんをピックアップして僕らのワゴンは順調に進み、かなり時間を巻いてゆとりあるスケジュールの様相、朝9時半に浜松でひつまぶしを朝ご飯にいただく余裕、そして途中のハイウェイオアシスでは足湯まで(ここは去年のバンド編成ツアーでも旅の労を癒やした場所)。大阪へかなり早く着くことになったので予定よりも早くスタンダードブックストア心斎橋に入りカフェでお茶を。やはりこの本屋(と呼ぶにはジャンルが多岐に渡りすぎるか)は知的感覚を刺激する芝らしい空間だ。
と思っていたら大阪市内の渋滞。FM802へぎりぎりの時間に到着。お世話になる番組は仁井聡子さんの「Saturday Amusic Islands」、去年も『新しい青の時代』リリース時に生演奏させていただいた番組、仁井さんとは15年来の知り合いなので楽しい収録に。この日は収録で、“四文字熟語”のコーナーを僕が担当する、という新しい試み。本当に好き放題やらせてもらって、猫のことばかり語らせてもらえてとても嬉しかったし感動した。生演奏も真里さんと一緒に。この模様は今週末16日(土)朝7時台にFM802でオンエアされます。自分でもオンエアを聴くのが楽しみ。また放送前にお知らせします。



急いで心斎橋へ戻る。空は不穏な色。車に満載された機材を大汗かいて階下へおろし、準備とリハーサルは1時間しかない。とても広い空間だったので音を作るのに苦労したが、「ええい!ままよ」と流れにまかせた。今回のライブはFM大阪で「おとなの文化村」という番組を制作されている野田さんという“おっちゃん”に大変お世話になった。僕は本当に出会いに恵まれている。ああでもないこうでもないとみんなで修正しながら少し押して開場。その頃には外は大雨。足元の悪い中にお待たせしてしまいごめんなさい。初めての会場にたくさんのお客さん、バタバタと息を切らしましたが皆さんの熱心な視線がとても心強く嬉しかった。


まずひとりで『weekend』の冒頭3曲を演奏。お客さんの身体が揺れているのがわかる。みんなの青春だったのだな、この音楽は。そして佐々木真里さんの鉄琴を伴っての「何もない人」、アコーディオンで「猫のいた暮らし」。「雨の夜と月の光」はかなり原曲に近いピアノアレンジでの演奏で、歌の感じも確実にいつもの弾き語りとは変わっていた。15周年を迎えた『weekend』を全曲演奏するのはおそらく今年はこれで最後だろう(GOMES THE HITMANでの10月のライブは季節がひとつ進んでしまうから“weekend”からは数曲の組曲としての抜粋になると思うので)。とても楽しかった。大阪でこれがやれてよかった。
第一部の“weekend”に続いて後半は“ポチ”部とも言えるもので、今でもやはり愛猫の話をすると込み上げてくるし、同時にとても自分の感情がすっきりするのがわかる。「夏の日の幻」に始まり「ポチの子守唄」(この歌のときに泣いている人の多さよ…)そして「日向の猫」は僕とポチにとっての鎮魂歌、奏でるべきレクイエムである。もう少しだけファンの皆さんにはお付き合いいただきたい。「些細なことのように」も歌いながら心が震えました。アンコールの「月あかりのナイトスイミング」、これも素晴らしかったですね。この季節に歌うと本当にいろいろなシーン、外の天候、胸のさざめきとリンクしてとても大きな歌になります。


終演後も雨脚は僕らを濡らし、台風が近づく足音が心の耳には聞こえてきた。朝からの長かったこの一日はまた来年の今頃に思い出す夏の思い出になるのでしょう。とても大好きな本屋さんでのライブ、またここでやりたいなと思いました。あまりにもバタバタして、ブックストアで全然ゆっくりできなかったから次回はもっと余裕を持って来ます。終演後もたくさんの握手とサイン、金曜日の夜に遠くから近くから集まっていただいたお客さんに感謝。また会いましょう。
くたびれはてて飲んだビールの美味しいこと。しかし大阪の街はそぼ降る雨に湿っていきました。