2014年08月27日

THE ALARM(マイク・ピーターズ)宣言



一昨日のこと、ビルボードライブトーキョーでTHE ALARMのボーカリスト、マイク・ピーターズのライブを観た。THE ALARMといえば80年代の徒花的な、髪を立てて襟足を伸ばしたマレットヘッドの代表格のようなバンドでしたが、25年くらい前の中学生の僕の心にとても良く響いた至極まっとうなギターバンド。中学生当時『ELECTRIC FOLKLORE LIVE』という、ベスト的選曲のライブ盤をよく聴いたのです。“フォークローレ”なのに“エレクトリック”というそのタイトルは、人懐っこいメロディと空間的なエレクトリックギターを得意とする彼らの音楽を実に端的に表現した言葉だったように思います。

僕が思い出す最近のTHE ALARMのニュースは10年ほど前、名前を伏せて(新人バンドのように偽名をつかって、PVも若者に演奏させる手の凝りようで)シングルをリリースしてビッグヒットさせたあとに正体を明かし「THE ALARMは80年代の遺物」という世間の認識に抗ったこと(まさに“アラーム宣言”だ)。1984年の『Declaration(邦題「アラーム宣言」)』リリースから30周年ということで、そのアルバム楽曲の演奏をメインに、アンコールでは僕の好きな「Rain in the Summertime」も聴けた。「68Guns」や「Where Were You Hiding When The Storm Broke」など、その風化しないグッドメロディはいろんな記憶を呼び覚ますタイムマシンのよう。今回はソロでの来日公演だったのでシンプルな弾き語りを予想していたら全然違った。ルーパー/サンプラーを駆使しして、足元のバスドラムも踏んで、ボーカルをディレイで飛ばして、と充実のパフォーマンス、“ELECTRIC FOLKLORE”はキープオンされていました。

1990年初頭のバンド解散後、マイク・ピーターズは癌やリンパ腫といった大病と戦いながら音楽活動を続けてきたそうで、バンドを定期的にリユニオンさせたり、なんとビッグ・カントリーに参加したりもしている。MCでもU2の『WAR』ツアーをサポートしてアメリカを回った思い出話やウディ・ガスリーの影響を語っていたが、その立ち止まることを知らない全身全霊の歌を聴いていると自然と手拍子をしたりシンガロングしたり、彼の熱量に取り込まれている自分に気づく。一番聴きたかった「Blaze of Glory」はハイライト、歌詞も全部憶えていた僕は連日のライブで枯れた声ながらしっかりと一緒に歌いました。“音楽を続けていく”ことについて勇気をもらうような素晴らしい夜を堪能しました。





Posted by monolog at 08:19│Comments(0)TrackBack(0)

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