2014年10月28日

新潟2days【DAY1:2014年10月25日 ツバメコーヒー】

先週末土曜日のこと。新潟までは車で4時間、だいたい名古屋、福島と同じくらいか。3年連続で新潟に歌いにいくことができるというのは結構画期的なことだ。デビューして以来3年前まではキャンペーンで一度しか行ったことのない街だったのだから。車にアコースティックギターもエレキギターもアンプからなにから東京でライブをやるのと同じ機材を詰め込んで出発。天気は快晴。夏の関西遠征以来の旅(そのときは台風直撃)わくわくしながら高速道路の上。



旅路の途中で僕の目を楽しませてくれるのは青い空と赤緑黄色と紅葉する木々のグラデーション。去年HARCOとのツアー時も11月の山並みと風景に「わああ」と何度もため息のような感嘆の声が出たが今回も。天気に恵まれてよかった。1年前はスピードを出しすぎてパトカーに捕まるという旅の始まりだったので今年はゆっくり確実にアクセルを踏む。

予定通りの時間に燕市に到着、3年連続3回目のツバメコーヒーだ。最初の年はアアルトコーヒー庄野さんと一緒にプレオープンイベント、去年はHARCOと、そして今年はイラストレーター大塚いちおさんと開店2周年を祝う。壁を壊してスペースをつなげたりレイアウトを変えたりしてツバメコーヒーの様子はリニューアルしていて、より“カフェ”としての空間が育っていました。番犬クロスケも元気。大塚さんはすでに到着、そしてさっそく会場設営準備。ステージ真ん中にスクリーン、その左手に僕のスペース、そして右側の机で大塚さんがイラストを描く様子がスクリーンに投影されるシステム。リハーサルらしい予行演習は一切やりませんでした。“飛び立つコトノハ”というタイトルは僕がつけたもの。以前坂本美雨さんの朗読と大塚さんの絵のイベントを観たときに絵と言葉、声が舞い上がっていくように感じたので、僕もそんなコラボがやりたいと思ったのです。



そして開演。いくつかのテーマでパート分けして演奏していきます。僕は新しいビンテージのエレキギターを初お披露目。まずは紅葉の「ORANGE」がテーマ齢50歳のギターで100年以上前に書かれた「もみじ」を。3番の歌詞は僕が書き下ろして付け足した。「やまびこの詩」を歌うと弥彦山ロープウェイとそこから見た景色を思い出す。次のセクションは「HOME」というテーマで「home sweet home」、3年連続で来た燕市はもう第2の故郷と呼んでもいいのではないか(同率2位がたくさんあるということで)。往路の車窓からの風景が「glenville」で蘇りました。

大塚さんの絵で一番印象的だったのは「一角獣と新しいホライズン」での幾重にも重ねられたストライプとオレンジ色で描かれたユニコーンの絵。誰かが終演後のアンケートに「歌を聞いている他の誰かの頭の中を覗いているような感覚だった」と感想を書いていて、的を射た表現だなあと思いました。「光の葡萄」でもちらちらと視界に入ってくる街の風景画が気持ちよかった。僕もその絵を見たいのだけど歌も歌わなければならないというジレンマ。ライブでしか体感できない時間だったと思います。

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最後のテーマは「FUTURE」で、これは大塚さんから歌って欲しいとリクエストがあった「あさってくらいの未来」のために設けた新曲を含むコーナーだったのだけど、「未来」というのは「過去」の積み重ねの上に成り立つものだという解釈で、大塚さんが過去に描いた絵の上にさらに線を描き足していくというスクリーンにハッとした。今年の僕のテーマである「retrospective=前向きな振り返り」と呼応する。とても刺激的で、また同じ企画を東京でも(他の街でも)やりたいと思いました。同じことは二度と再現できないからまたきっと新しい空間になるのです。

終演後はお客さんとサインや握手、お話をいろいろ。3年前までどこにあるのかも知らなかった小さな街のカフェで1年ぶり、2年ぶり、あるいは3年連続でお客さんと会えるというのは嬉しいことです。打ち上げはツバメコーヒー店主タナカさんの行きつけのビストロで美味しいワインとご飯。「それっぽい居酒屋で打ち上げするよりも街の料理屋で美味しいものを食べてもらいたくて」という心づかい。結構遅くまでたくさんのおしゃべりで腹鼓を打ちました。




Posted by monolog at 10:43│Comments(0)TrackBack(0)

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