
卒業する行さんに捧げて「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」、会うたびいつもニコニコ笑っている行さんに重ねて「笑う人」、そして続けて「home sweet home」を。モナレコードが下北沢のシーンに与えた影響はとても大きい、と思う。僕は2000年代中盤頃はよく出させていただいていた。ここ数年はご無沙汰気味だったので“古巣”とまでは呼べないが下北沢で時間があいたときに覗いて行さんを探してみたり、最近だとleteでライブをやる日は開演までモナの2階カフェで時間つぶしをすることも多い。
共演相手のHARCOは先月お父さんになった。そんなHARCOに捧げて演奏した歌は「僕らの暮らし」。前述した1999年渋谷クアトロのライブではまだリリース前のこの歌をHARCOとバンドでセッションしたが、かつてバンドのアニバーサリーのときにファン有志が作ってくれたジンのなかでアンケートに答えたHARCOが一番好きな歌は「僕らの暮らし」答えたことを僕は忘れていなかった(HARCOはとても喜んでくれた!)。そして今年初めての「sweet december」、この歌を歌うと一気に年の瀬の波が押し寄せてくるような感覚。そしてHARCOを呼び込んでのセッション。

HARCOのアップライトピアノで歌う「月あかりのナイトスイミング」、誰かがアンケートに書いてくれていたが「とても男性的」なナイトスイミングだ、と僕も思いました。1年前もそうだったのだけど、なんの打ち合わせもないのにHARCOはコーラスをしてくれた。「太陽と満月」もピアノ・ロッキンなアレンジで。最後はHARCO監修のコンピレーションでたくさんの人に聴かれた「SING A SONG」で終了。とても楽しい1時間の演奏でした。
次はHARCOのステージ。モナレコードから愛されたミュージシャンだなあと感じる。現在制作中だという新作からの新曲、ドンカマやシンセを使った歌など聴きどころがたくさん。そのなかでも「バッティングセンター」というHARCO初期楽曲、面白いアレンジにハッとする瞬間がありました。HARCOに呼び込まれて再びステージへ。「Night Hike」と「丘陵叙景」をセッション。僕も僕なりのコーラスを添えてみた。GTHの恵比寿のライブでも弾いた1965年製のHarmony H45 Alden 9908(愛称はタキシード)をたくさん弾いて楽しかったな。アンコールでは1年前同様山下達郎さんの「クリスマスイブ」をふたりで。
三連休の最後の日、たくさんのご来場ありがとうございました。10年前からずっと下北沢の重要ショップだった本屋フィクショネスの店主(今年の夏に閉店して現在は作家として大活躍中の藤谷治さん)が観にきてくださったのが嬉しかった。10年以上前に僕はフィクショネスにポチのポストカードを委託販売してもらっていたのだ。下北昔話。打ち上げにはHARCOバンドの石本さん、ヴィオラ奏者の田中さん(森のオーケストラ!)、高橋徹也さんなど初めましての顔も含めて楽しく賑やかに、途中からは行さんも加わっていい気分な夜でした。僕を誘ってくれた行店長に大きな感謝を。また面白いこと企んでください。モナレコードのユキタツヤ卒業公演は11月30日まで続きます。ぜひ足を運んでみてください。
