2015年03月11日

4年前の今日は

4年前の今日は金曜日で、この季節特有の憂鬱な気だるさを抱えて友だちと近所のマクドナルドでお茶をしてくだをまいて、梅は満開だったけど桜の木はまだ蕾を固くしていて、そんな桜並木を眺めた後にとぼとぼと家に帰った。帰宅後、テーブルにつまづいて飲みかけのコーヒーをこぼしてしまって、僕が這って雑巾で床を拭いているときに異変が起きた。窓の外の電線が長縄跳びのロープのように波打っているのをしばらく眺めていたらグラグラとと揺れ始めた。「わわわ」とまず買ったばかりのテレビ(地デジ終了で薄型の大きなテレビをかったばかりだったのだ)を片手で押さえて、もう片方の手は本棚を支えた。

揺れは数分続き、ラジオがついていて(TBSラジオのキラキラ、水道橋博士の日だった)非常事態を伝えていた。丸くなって寝ていたポチが飛び起きて目をまんまるにして尻尾をアライグマみたいにふくらませて興奮していて、「ぽっちゃん!」と呼んだけれども納戸の奥の方に逃げ隠れてしまって、その後納戸の棚からいろんな物が落ちてくる音が聞こえた。食器がカチャカチャいう音も。結局大きな揺れが収まっても僕は中腰でテレビを押さえたままの姿勢で呆然としていた。それからずっとテレビを眺めてラジオを聴いてTwitterを覗き込み余震に怯えながら何もできないまま過ごした。納戸に逃げ込んだポチは夜の11時頃そーっと忍び足でリビングに戻ってきたが、緊急地震速報の音が鳴るとまた怯えて逃げ隠れた。

地震が起こる数日前の3月9日に「ひそやかな魔法」というデジタルシングルをリリースしたからこの歌を聴くとこの頃を心の静動をありありと思い出す。R.E.M.の最後のアルバムとなる『Collapse Into Now』が出たのも同じ日だったのでそれもあの春のサウンドトラックだが、4年前の今日からしばらく僕の頭に流れていたのは「こりゃすごいな/まず地震で始まって/鳥だ/蛇だ/飛行機だ」と歌い出される「It's the End of the World as We Know It(and I Feel Fine)」でした。

今晩は下北沢の小さなコーヒースタンドで話をしたり歌を歌ったりします。今日にふさわしい曲を。とても小さなお店ですがぜひ仕事帰りなどにお立ち寄りください。音楽とともになにかを共有するような夜になれば、と思います。


2015年3月11日(水)@ 下北沢 BOOKENDS COFFEE SERVICE
“志田の夜カフェ。with 山田稔明ライブ”

20:00 start:No charge
DJ : 志田一穂/ライブゲスト : 山田稔明

アナログレコードをゆっくりゆったり聴きながら、コーヒーやビールやおしゃべりを
楽しむささやかなイベントです。今回はGOMES THE HITMANの山田稔明氏をお迎え
してライブもお送りします。ライブは21時半くらいからを予定。限られたスペースな
ので恐縮ですが、一緒に音楽を共有したいと思います。

下北沢 BOOKENDS COFFEE SERVICE
東京都世田谷区北沢2丁目11ー17
TEL 03-3411-8885





気仙沼くんからの手紙

3.11です。
4年が経ちました。

復興の槌音が毎日響いています。
先月1日には市内第1号の災害公営住宅が完成しました。
浸水地の土地の嵩上げなど他の工事も着々と進んでいます。
ここ1〜2年が竣工ラッシュになるかと思います。

ただ、資材の高騰や人員不足に起因して工期の遅れも目立つようになりました。

市内の仮設住宅にはまだ6000人以上が、
民間アパートを借り上げる“みなし仮設住宅”*にも2000人以上が暮らしています。
避難所を含めた4年もの間、市民に仮の生活を強いていることに大きな責任を感じています。

被災地は未だ被災地のままです。

一方で、新しい店や取組など元気な街の姿もたくさん見られます。

暖かくなったらぜひ遊びに来てください。
チーム気仙沼で歓迎しますので!



*みなし仮設住宅・・・震災などで住居を失った被災者が民間事業者の賃貸住宅を
仮の住まいとして入居した場合に、その賃貸住宅を国や自治体が提供する「仮設住宅」
(応急仮設住宅)に準じるものと見なすこと。また、そうした賃貸住宅や関連する制度。

Posted by monolog at 11:45│Comments(0)TrackBack(0)

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