




前回の猫騒動ブログから約2ヶ月あいてしまいましたが、春だった季節は夏へ向けて進む雨の洞窟に突入しました。猫にまつわる騒動が2ヶ月なかったかというと全然そんなことはなくて毎日ポチ実は何かを“やらかす”し、週に何日もご近所猫のモイと遊びにいくし、うちの庭には野良の不法侵入猫が現れるし、ポチ実のお母さん猫「チミママ」と網戸越しに対峙することも頻繁にあります(今日の午後もでした)。ここ最近では斜め向かいの空き家から仔猫の声が聞こえてきて(ここはポチ実が生まれた空き家だと思われるのですが)昨日お家の持ち主が掃除をしにきたところを見計らって挨拶にいき、猫が出産しているかもしれないことを報告、相談したり。まあ、言ってみれば毎日が猫騒動の連続なわけですよね。
そしてひとつ、お伝えするのが遅くなりましたが、春のGOMES THE HITMANのライブと吉祥寺にじ画廊でのイベントで募ったむさしの地域猫の会募金箱に入っていた10,101円を会に寄付しました。ささやかな貢献ですがとても喜んでもらえました。仔猫が生まれる時期に何かの役に立っていたら嬉しいです。お心遣いいただいた皆さまに感謝を。今度は6月25日の木場 EARTH + GALLERY《Art × Music for CAT LOVERS》に募金箱持っていきたいと思っています。ふと気づけばあれから1年が経とうとしていて、ああ、いろいろなことがあって今このときに繋がっているなあ、と考える。

ポチはちょうど去年の雨の季節に具合が悪くなり、6月4日からかかりつけの病院に通い始めました。重度の腎不全でした。ちょうど1年前の今日くらいにはご飯も水も飲めなくなって、神頼みの祈りにも似た思いを抱いてホメオパシーの病院のドアを叩いたりしている頃。苦しむポチの背中をさすりながら夜も寝ないで看病するというタフな日々は果てなく続くかと思われました。「ポチの回復日記」と希望を捨てずに名づけた詳細なメモを取っていたので今でもそれを読み返すとその頃のことを鮮明に思い出せます。そして深い溜息と涙と後悔のような念が混ざり合い、リビングに飾ったポチの大きなポスターに語りかけ、床に転がって遊ぶポチ実を見つめるのです。1年前に書いていた日記はこんなふう。
<2014年6月13日(金)>
朝、9時過ぎに病院行くもA先生おらず一旦帰宅。よだれ、その後黄色い胃液を吐く。ちょっと落ち着く。楽になった?A先生を待つ。10時半に再び病院へ。診察台の上で失禁、でもこれでかなりおなかが楽になった?腎臓の数値が非常に悪いからその通りの症状が出ている。正直やれることがない、と。体重はなぜか今回も変わらず4.8キロ、それほどひどい脱水でもないらしい。昨日200mlちょっと輸液したことを伝えると、数値を調整するために朝の診療では輸液を入れないことに。吐き気止めの注射2本とステロイド?もう1本黄色い注射を。フォルテコール半分と心臓の動きを良くする薬半錠。夕方もう一度通院することに。
(注射料2100円/内服薬500円/合計2808円)
帰宅後唾液のような透明なものを吐いて、しかししばらくは落ち着く。15分間隔でえづきはあるが、目をつぶって休めているように見える。夕方にもう一度A先生に会えるのが救い。泣いてるヒマはないが涙が出てくる。この感情はなにか。15時くらいから吐き気が増えてきた。5分間隔。ノドの下、胸をさすると気持ち良さそうにする。断続的に頭を沈めて休む。そして吐き気で頭をあげる。
今日二回目の午後6時半の診療。顔が少ししっかりした?と僕も思うし先生も言う。
栄養入りの輸液注射を2本と吐き気止め2本。飲み薬も同じだけ。「治ってくれよ〜」と先生。願う。
(注射料2800円/合計3024円)
帰宅後唾液のような液体をまた吐く。これでかなり薬も吐いてしまったのでは?と思うが、その後落ち着き、休む。しばし仮眠。真夜中の2時、吐き気が止まらないためやむなく24時間やっている救急病院を探して車を飛ばす。血液検査、そして吐き気止めを2本。腎臓の数値は前週よりはマシ?帰宅後また少し吐き、その後落ち着く。5時頃から1階へ。窓際。ソファの下。好きにさせる。オシッコ。朝7時に二階寝室へ。日向の窓際で外を眺める。吐き気減って幾分穏やか。
(夜間診療6800円/血液検査2500円/注射2500円/合計12744円)
<2014年6月14日(土)>
朝の病院で昨晩のことを報告。真夜中でもしつこく電話を鳴らせば誰かが対応してくれるとのこと。黄色い輸液には少し栄養入りか。吐き気止め2本、ともう一本?いつも一本余計におまけしてくれる。錠剤の胃薬は自分で。フォルテコールと心臓の薬はまだあげられず。帰宅して、相変わらず波があり苦しそう。
(注射料2100円/内服薬900円/合計3240円0
知人から紹介しただいた自然療法の動物病院へ。1時間弱の車の長旅。予想に反して佇まいはティピカルなクリニック。ホメオパシーについて非常にわかりやすい話でいろいろ腑に落ちる部分も。注射を5種ほど。腎臓、肝臓、腸の動き、エネルギーの流れを助長するものなど。ホワイトボードの図を使っての説明は明快。ポチは疲れて眠るような顔。ポチの吐き気による空咳のようなものは腸から上がってきたガスのせい。ハーブウォーターのような薬。明日も昼前に来ることに。新しい始まり。
(初診料10000円/検査15000円/内用薬4000円/合計31320円)
帰路、かかりつけの病院へ。4.65キロ。診察時間過ぎても対応してくれて感動する。
肝臓のことも考えて腎臓の治療をしてくれている。吐き気止め。流動食を処方。
(注射料3500円/合計3780円)
帰宅。ポチ、いつものポチのよう。しっぽをあげて歩く。正直驚いた。嬉しい!水を飲むかと思ったが寸前でやめる。庭にも出る。葛湯をぴちゃぴちゃと舐めさせる。しっぽをあげて歩く。ソファを居場所の定位置にして、昨日までとは全然違う。さあ頑張ろう。穏やかに寝るポチにつられ自分も久しぶりに寝た。しかし3時頃から吐き気で苦しむポチ。ソファの下、風呂場の前、うろうろ。あごの下をなでたり背中をさすったり気分転換に庭に出たり。ゲップを出させたくて腸の薬を半かけ、「ガフー」と一発出て少し楽になったか。ソファの上で少し落ち着いたのは4時半。
<2014年6月15日(日)>
朝は気持ち良さそうに寝る。11時半からの自然療法の動物病院、昨日同様の注射と、お話。リラックスした穏やかな時間も、後に来た患者犬の大きな鳴き声でかき乱されてしまった。帰りの車で酔ったか唾液を流す。帰宅してぐったり。もう少し頑張ろう。
(診察料2500円/皮下注射12000円✕2日分/合計29354円)
お昼過ぎにかかりつけの動物病院、4.45キロ、体温37.8度。ぐったり。たくさんの複合注射を。
帰宅後、具合悪い。昨日が嘘のように。しかし体力回復してもうちょっとトライしたい。
夕方の診療はあきらめ、輸液セットをもらいにいく。
(注射料4200円/フード1350円/合計5994円/夜の分の輸液セット注射料3500円/合計3780円)
血便のような赤いシミをトイレに発見。オシッコは3度ほど。しゃがみこんだりヨロヨロ歩いたり。好きにさせる。夜になって庭で涼む。風が気持ちいいな。気分転換して好転しような、ポチ。ポジティブなヴァイブレーションを全方向へ。血尿続く。量はこれまでより増える。日付変わる頃にぐったりしたポチに輸液。続けてがんばってもらって液状健康補助食品をシリンジで。なんとか食べてくれた。薬を飲ませるのに難儀して余計な体力を使わせて申し訳ない。ブラシでのマッサージで帳尻合わせを。気持ちよくなったのか眠る。お風呂場で。ここ数日のなかでは断続的にだけど一番寝た夜かもしれない。起きるとポチは2階寝室にあがって、よだれを流して吐き気と戦っていた。ガスを吐き出せたので階下に連れて降ろしブラシで撫でて落ち着く。その後場所を変えながらえづきをやりすごす。気持ち悪さゆえの行為だろうけどしっかり歩いている姿を寝ぼけつつ眺めた。地震が数回。朝7時、待望の太陽、庭に出て紫陽花の下で数時間とても穏やかに過ごす。
こんな感じの日記が2週間分、最初はノートパソコンで書いていたのが途中からiPhoneのメモに走り書きになった。最期の2日、6月18日と19日の日記は書けず、思い出しながら後で補完した。ちょうどワールドカップで盛り上がっている時期だったけど僕は結局ひとつも試合を観なかったな。1年経って思うのは、今年はなんで庭の紫陽花が咲くのが遅いんだろうかということ。ポチは紫陽花がよく似合う猫だった。雨が少ない気がするのは、去年は本当に雨の日と低気圧がつらくて、太陽を渇望していたことを憶えているからか。愛猫ポチを看取った経験は僕にとって猫の病気についてもっと詳しく知りたいと欲するきっかけになった。同じ過ちを繰り返したくなくて、僕はこの夏から「猫健康管理士」という資格を受講することにした。ポチ実は6月後半生まれらしいから、物心ついて初めての梅雨を迎えてつまらなそうに窓の外をぼんやり眺めている。新しい季節はもうすぐ。
ポチがいない夏、ポチ実がいる夏。1年たって僕たちに初めての夏が来る。