2015年07月10日

一之輔、マッドマックス、「風街」と「海街」



先週の土曜日に友人に誘われて初めて落語を観にいった。春風亭一之輔「らくごde全国ツアーvol.3」のよみうりホール公演。去年からどきどきキャンプの佐藤満春さんやラブレターズ塚本さんなどお笑いを仕事にしている人と仲良くなる機会があって、コントライブなども数度出かけていったけれども、落語が寄席というのはまったくの未経験。とても新鮮な舞台だった。安宅くんからは「落語見ると影響受けると思うよ」と聞いていたのだけど、演目を「歌」、まくらを「MC」だとするならば、なるほどその流れはコンサートのようだった。春風亭一之輔さんは僕にとってはTBSラジオの「たまむすび」に月に一回で登場する人という認識だったのだけど、噺を始めるときの迫力と色気がすごかった。ゲストの笑福亭鶴瓶さんの圧倒的な話芸にも感服した。ものすごく豊かな文化だなあ、と感動しました。この日以来ずっと鰻が食べたくてしかたない。

日曜日には映画館へ。レイトショーで「マッドマックス 怒りのデスロード」を観た。もうこれは最初から最後までずっと面白くてドキドキして、今までにない映画体験だった。スクリーンに飲み込まれるような感覚があり、もう一度冷静に最後列から観直したいとすら思う。善悪が明確に別れたそのストーリーは僕に西部劇のインディアンとカウボーイの戦いを思わせる(勝敗はあまり関係ない)。車は駆け抜ける馬、いつの時代も女性はたくましく描かれる。自宅のテレビの画面では絶対に味わえないようなエンターテイメントでした。

奇しくも先週杉真理さんのラジオにお呼びいただいて長門芳郎さんや牧村憲一さんというジャパニーズポップス界の歴史を作った方々にお会いした日の帰り道に購入した『松本隆作詞活動45周年トリビュート 風街であいませう』をじっくり聴いた。個人的には「風街でよむ」と題されたポエトリーリーディングCDに期待していたのだが、本編の「風街でうたう」もすべからく素晴らしかった。往年の名曲たちは言葉とメロディの幸せな結婚そのものだ。「友よ、答えは風のなかにある」とボブ・ディランが歌い、それならば「風をあつめて」と綴った松本隆氏が敷いたレールや轍の上で自分が歌詞を書いているのだな、と再確認したところ。

そして昨日はまた映画館へ出かけ、是枝裕和監督作品「海街diary」をついに観た。ふと「海街」とは「風街」を出発して辿り着く街なのではないだろうか、と考えた。2時間どの瞬間も素晴らしく、このまま終わらなければいいのにとさえ思った。是枝監督の前作「そして父になる」は血縁か過ごした時間かという命題を持つ作品だったけれども、この映画のなかで描かれたのは「連帯と共有」ではなかったか。「あれ」で通じるテレパシーを持つ共同体はかくもたくましい。一人っ子の僕は4姉妹の関係が羨ましく、なぜかずっと涙目。極楽寺よ、桜のトンネルよ、生シラス丼よ(こないだ食べたばかりだ)。僕はまた何度でも鎌倉へ出かけていきたいと思いました。今年観た映画のなかで一番。



Posted by monolog at 13:04│Comments(0)TrackBack(0)

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